かつて王宮で出会った末王子と仲良くなりたくて魅了の魔法をかけてしまい、自ら望んで森に幽閉された魔女フローラ。
彼女の元に護衛の騎士ジャドールがやって来ます。
その騎士様はフローラのことが大好きで事あるごとに彼女に「大好きです」と言ってはばからない。
そんな彼に戸惑いながら徐々に徐々に惹かれていくフローラの心情がとても可愛らしいです。
とにかく糖度高め。イケメン騎士に甘い言葉責めされる物語をお楽しみください(私は男ですけど^ ^;)
なお、本作にはジャドールの視点で書かれた物語があります。そちらも読んでいただけると、あ、このシーンでは相手はこう思ってたのねと思えること請け合い。
両方お読みいただくこと推奨です。
「引きこもり魔女に恋をした騎士の徒然なる日々の物語 〜魔女の呪いを解く魔法〜」
https://kakuyomu.jp/works/16818093084630613176
引きこもりの魔女と献身的な騎士の成長を描いたファンタジーロマンス。
深い森の中の小さな小屋で心を閉ざして暮らす14歳の魔女フローラと、彼女を監視することになった銀髪の美しい騎士ジャドールの物語が、四季の移ろいと共に優しく展開していきます。
この物語の魅力は、何と言っても甘く切ないロマンス。最初は心を閉ざし距離を置こうとするフローラに対して、明るく献身的なジャドールが見せる無条件の優しさ。「魔女様」と呼びかけながら丁寧に料理を作り、髪を結い、世話をする場面の描写は、読み手の胸をキュンとさせるものがあります。二人の関係が少しずつ変化していく様子が丁寧に描かれ、星空の下での会話や、危機的状況での互いを思いやる言葉など、二人の距離が縮まる瞬間が繊細かつ情熱的に描写されています。
その胸キュンを支える文章の魅力も特筆です。季節の移ろいを感じさせる美しい自然描写や、フローラの繊細な心の動きを映し出す内面描写は美しく、感情が高ぶる場面での息づかいや仕草、視線の描写が心に迫ります。
黒猫の姿で現れる謎めいたリタの存在も物語に彩りを添えています。満月の夜だけ現れ、フローラに魔法や生き方についてアドバイスをする神秘的な存在として、物語に深みを与えています。
自分の犯した過ちと向き合いながら、少しずつ心を開いていくフローラの成長と、彼女を見守るジャドールの変わらぬ愛が描かれた本作。「魔女様」と「騎士様」の呼び合いや、二人の小さな日常の積み重ねが心に残る作品です。