北海道へ
「一生のお願い」
軽率に使う言葉ではないし、使っている人の事はあまり好きではない。でも私が放ったこの言葉に偽りはなかった。
私は数カ月、外部とあまり関わらずに心を落ち着かせるべく、「心のリハビリ施設」と言われる様な場所で、日々を過ごしていた。
ココは青井先生を始めとする、精神科医の中でも若年層を中心にしたメンタルケアを本業とする医師達が協力し、社会復帰や日常生活を問題なく過ごせる事等を目標にしたカリキュラムを、患者と共に過ごしてながら進めていく場所だ。今までに無かった治療方法の一環ということで、まだまだ世間には知られてはいない。
「トキメキが困ってるの!」
スタッフや他の患者さんに訴える私の姿を一般の人が見たら、恐らくその殆どが「様子がオカシイ」と口にすることだろう。
でも本質は違うの!
ほんとにほんとにトキメキが困ってる。
そして青井先生はそれを解ってくれる。
ふわふわした感覚の中で数日後、私は先生の休みに合わせ北海道へと旅立った。
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