ヤサシサ

実はここに来て、いくつかの疑問がある。私は元々関東近郊に住んでいて、運ばれた病院も家からそこまで遠くはない場所だ。そもそも牧場には住み込みで働いていた記憶はあるし、恋人であるところの未来も、働いている牧場の寮に今も籍を置いている。


なので、北の大地の牧場で働いていた私が故郷の病院にいきなり運ばれるのは、明らかに現実的ではない。だとしたら、私はどこで事件に巻き込まれ、そとそも何故そこにいたのだろうか…。


私の記憶はまだまだ断片的である。でも恐らく周りの近しい人達は、ほぼすべてを知っている。この「優しさ」と「真実」の境界線に、私はいつも翻弄されてばかりだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る