第7章 勇者、マークウェル
第56話 勇者、マークウェル
6年後、マークウェルは、SSSランクの冒険者になっていた。
単独行動で、魔族討伐などの単価の高い危険な仕事を好んでやるのだ。
それなりに地位も高くなるし、中身も外見も擦り切れていた。
言葉には、全く不自由はしなくなった。
ロイル家のアドリアンが、ギルドに入って一年の間、ピッタリと付き添って、人との付き合い方を叩き込んでくれたのだ。
金は、ピンハネされていたが……
五年前には、アドリアンとも別れて、ギルドの仕事に没頭した。
仕事は、真面目にこなしていたので、何時しか、マークウェルのことを勇者だと称えるものが出て来た。
本人も悪い気はしていなかった。
やっと、自分の功績が報われたんだと思っていた。
ある時、SSSランクの冒険者が、ギルドに集められた。
荒ぶる火の神を治める仕事が舞い込んできた。
「君も呼ばれたのか!? マーク」
「アドもか……何だよ、火の神って!?」
「ティエリ山脈の中程の火山が、噴火したらしいな。地下で眠っていた火の神が目覚めて地上に出て来たんだ。闇堕ちする前に若い神を保護をしに行くんだ」
淡い金髪のアドリアンも来ていた。
「闇堕ち?」
「生まれて間もない神は、無垢だ。だから、魔族も狙いに来る。取り込んでしまえば、自分たちの擁護をしてもらえるからな」
「精霊が魔族に味方するのか?」
「精霊と契約している魔族もいるね。そう言う精霊はもう闇堕ちしてるけど」
「だったら、魔族も火の精霊狙いで来るわけだな?」
「今回は、目覚めたばかりの火の女王の安全の確保だよ。腕自慢の魔族も来るだろうよ」
アドリアンの説明にマークウェルは、胸が高鳴った。
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