第44話 再会
「お前の様な恩知らずは、もう知らぬ!! 何処となりと行くが良い!!」
{言葉も分からない、人間にどうしろって言うんだ!! 馬鹿野郎!!}
中年の男が二人出て来て、言い争っていた。
一人は共通語だが、もう一人はマークウェルの良く知っている言葉を使っていた。北の言葉だ。
マークウェルは、呆然と、その男を見てしまった。
(俺たちの他に大山脈を越えてきた奴がいるのか!?)
見覚えがあるような……無いような……
ジッとマークウェルが見つめていたので、その男は怒りをマークウェルにぶつけてきた。
{見せモンじゃないぞ!!生意気な奴!!}
マークウェルは、(あれ?)と思った。
{隊長殿の口癖にソックリですね。親戚さんですか~?}
マークウェルは、思わず北の言葉で喋りかけてみた。
中年の男は、ビックリしていた。
{お前、オレの言葉が分かるのか!?}
{分かる、分かる。俺も北の出身だぜ。チャン・カインて言うんだ。今は、マークウェル・カインだがな}
マークウェルの言葉に男は大層驚いていた。
{{チャン・カインだと!?}}
男は叫んでいた。
{俺って、そこまで有名人なのかな}
マークウェルは、悪い気がしてない。
{髪の色が違うだけで、印象が変わるものだな}
中年の男の言葉を聞かずにマークウェルは、自分の疑問をぶちまけた。
{オッサン、何者!? どうしてこっちにいるの? 言葉に不自由してるのに。古語なら通じるよ、そう言うのが通じる場所があるよ。保護を求めた方が良いぜ}
{{お前の所為で追放になったんだよ!! 親にも勘当されたんだ!! オレは名家のキム家の一人息子だったのに!!}}
マークウェルは、男の言う事が分からずにアドリアンを見た。
「なぁ、アド。あのオッサン18歳に見えるか?」
「君の知り合い?」
「みたいだけど、年が違い過ぎる……俺の所為で追放になったとか……言ってる意味が分かんねぇ」
「見たところ、魔族と契約でもして山越えして来たってところかな……
あんなのと、あんまり関わらない方が良いよ」
アドリアンは、マークウェルを促してその場を離れようとした。
刹那!!
ナイフが二本二人を目掛けて飛んで来た。
二人とも風の守護があったので、難なく逃れることは出来たが、男の目は、血走っていた。
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