第35話 山中での契り
大山脈越えは難しいが、
人間界を襲いに行ったのも久しぶりで、あの時は食事も出来てないのだ。
吹雪を、風壁で避けて大山脈に入って行った。
すると、程なくして人間の行き倒れを拾ってしまった。
しかも、雄だ。自分は、雌だから丁度良い。
今時の仲間は、人間に触れただけで食事が出来るが、
男は、憎い男を殺すためだけに、大山脈を越えると言った馬鹿みたいに単純な男だった。
道案内と食事の提供を、代わりにその雄との関係を迫ったのだ。
雄は、初めは目をパチクリさせて、信じようとはしていなかった。
無理もない。
その晩初めて、雄と契りを交わした。
「あんたのおかげで、生き延びたわ。」
「オレは……すごく怠いんだが……」
「そうね、私が食事をするとそうなるよ。数日休みましょう」
人間と魔族は、二か月彷徨って、大山脈の広大な山中を抜けた。
「
少々、やつれて年を取った
二ヶ月も一緒にいたので、
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