第27話 従騎士、マークウェル
魔族の首級を三体持って、意気揚々とマークウェルは、騎士団の宿舎に行った。
『どうよ!』
団長の部屋に取ってきたアルゲイ族の首を机の上に置いて、どやっていた。
『はいはい、マークウェル・カイン。合格だからね。ちょっとそこに座てって』
『ん?』
「返事は「はい」ですよ」
カーティスが、マークウェルを睨んだ。
ヴァレリエ隊長が、自分の従騎士を呼ぶと一人の騎士の呼び出しを頼んだ。
しばらくすると、一人の小柄な男の子が団長の部屋にやって来た。
「オーランド・ルポーです」
茶色の髪に茶色の瞳、童顔の顔。15~6歳にしか見えない。
「オーランド、君は、まだ従騎士がいなかったね?マークウェル・カイン、君より二つ年上だが、腕前はこの通りだ」
18歳のオーランドは、団長の机の上に無造作に置かれていた魔族の首を見て、一瞬吐き気を覚えたようだ。
「ああ……慣れない人には、刺激が強いですね」
カーティスが、魔法で机の物を見えなくした。
落ち着いたオーランドは、改めてマークウェルを見て来た。
「すごい腕前の方ですね」
『おうよ、正当な評価をされていれば、軍の一個小隊の隊長にだってなれたはずだったからな』
マークウェルの話す言葉は古代レトア語だ。
正騎士になったばかりのオーランドには、理解が出来ない。
古代レトア語は、主に魔法使いや上流階級の人の教養として、使われる。
庶民出身のオーランドには、古代レトア語がさっぱり分からないのである。
『マークウェル・カイン、正騎士のオーランド・ルポーの従騎士に任命する』
マークウェルは、驚きである。
『何で、実力を認めてくれないんだよ!』
『騎士見習いをすっ飛ばして、入団を許可したんだ。後は、騎士団の規律に従ってくれ』
マークウェルは、厳しくヴァレリエ団長に言われてしまった。
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