第25話 レ・ナン=ヴァレリエ隊長
次の日に、マークウェルとカーティスは、銀の森の西南にある騎士団に行った。
マークウェルを、この騎士団に入れるためである。
リエンファは、ともかくマークウェルの方は、祖神が受け入れたからには悪人では無かろうが、挙動があまりにも不審すぎる男だったのだ。
光りの神殿では、神殿の間から出ると、だれかれ構わず喋りかけて、古代レトア語で話すものだから、魔族が銀の森に現れたのではないかと、恐れられたりもした。マークウェルは、ただ、皆に挨拶していただけである。
空気の読めない彼には、何故、みんなが騒ぐのかが分からなかった。
それで、三賢人から、年若いカーティスに面倒を見るように押し付けられたのであるが、カーティスにも、エル・ロイル家当主としての仕事があった。
だからと言って、マークウェルを野放しにも出来ない。
幸い、軍隊に所属していたという……。
カーティスは、マークウェルを連れて神殿付属の騎士団の門をたたいた。
「これは、宗家のカーティス様。今日はどうしました?」
「ここにいる、マークウェル・カインに騎士団の入団試験を受けさせてください」
ヴァレリエ隊長は、マークウェルのことを不躾なほど長くジッと見ていた。
「変わった気配だ。それに騎士団は集団行動だぞ? 団体行動が取れる奴なのか?」
カーティスは、冷や汗をかいた。
(言い当てられてる……)
「でも、訳あってワタシの身近に置いておきたい人なんです。
よろしくお願いしますよ」
カーティスと共にマークウェルもいっしょに頭を押さえられてお辞儀をする羽目になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます