第24話 神殿付属の騎士団
『言葉が何とかなれば、神殿付属の騎士団の入団テストを受けてもらいます』
『騎士団!? 軍隊のことか?』
カーティスは頷いた。
『神殿が武装集団を持っていると言われるのも、大変なのですよ。二百年ほど前までは、神殿も騎士団を持ってたのですよ。魔法使いも配備させた、本格的な物でした』
『魔法使い?』
マークウェルが、聞き慣れない言葉であった。
『ワタシ達のように、神の血筋を受け継いだ者達に表れる特殊能力の持ち主ですよ。ああ……リエンファもそうです』
『リェンファは違うだろう!!』
カーティスは、フッと笑いながら言った。
『【神から与えられた加護の力】と解釈して下さい。あなたにも、何か力を感じます。古代レトア語が出来ているのですから、直ぐに精霊と契約出来ますよ』
『魔法ねぇ……』
どうやら、異能のことをこちらでは魔法と呼ぶようだ。 マークウェルは、鞘に入ったままの長刀、
『神殿騎士団はどうして無くなったんだ!?』
『魔法使いと、騎士達がケンカしてしまって』
マークウェルは、何となく理由が分かったような気がした。
優越感の塊の魔法使いが、騎士達を馬鹿にしたのだろう。
『……で、解散か?』
『はい』
カーティスは悲しそうに頷いた。
『今は、ヴァレリエ正騎士という騎士が中心になって、神殿付属としてもう一度発足しています。
百三十年ほど前、銀の森に刃を向けてきた、西の隣国ヴィスティン王国を護ってくれたのが、ルーシャス・ロゥとその冒険者仲間が基盤になって今の騎士団の基盤を作ってます。今回は、魔法使いを置かずに。騎士のみです。
神殿の方も、また責任を取りたくなくないのですが、ヴィスティン王国のような例もあるので、今に至ってるんです』
『へぇ』
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