第21話 言葉が通じた!!
カーティスは、黒板を背の大きな男の方にを渡した。
{名前!?}
黒髪の男女は、顔を見合って頷き合った。
そして男の方が、言った。
『これは、失われた古語だな。婆様に習っていたから分かる。綴りの文体が面倒だからな。俺は、カインだ。チャン・カイン。こっちは、リェンファ』
カーティスとアーティボルトは、言葉が通じてホッとした。
『ここは何処?』
銀髪の少女が言った。神職にでもいたような白い装束を着ていた。この子は、カーティスたちに紛れても分からない顔立ちをしている。
『世界の聖地、銀の森と呼ばれる所ですよ。君達から見たら、大山脈の南側に位置してます……正直、あの山脈の向こうに人に住む世界があったなんて思いませんでした』
『消えた……銀色の人は誰!?』
『彼がこの世界の神です。彼があなた方の声を聞き、この地に招き入れたのです。したがって、ワタシ達に反対する権利もありません。あなた達がこちらの地で、安心して生活できるようにサポートするだけです』
カーティスがそこまで言うと、二人は安心したように膝から崩れた。
後ろの方では今まで一緒にいたア-ティボルトとザイラスが消えていた。
(また、面倒な事をワタシに押し付ける気だな~!)
『祖神の言いつけなので、ひと月ほどはここでお過ごしください。厠、風呂の時以外です。食事は、運びます』
『あれが神だって?』
カインの方が声を上げた。
『カイン、すごい力の根源みたいな感じがしたよ。ここが物凄い力で守られているってこともね』
『へ~ あんたもあの人に似てたぜ。何で?』
『一応、彼の子孫という事になります。ワタシは直系の子孫で……さっきいたアーティボルトたちも同じ一族です』
カーティスは、こんな話をする時が一番嫌だった。
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