第14話  魔族の巣

 ジアンは、銀髪の魔族の前に回った。珂英カインたちは後ろから近づいていった。

 驚いた銀髪の魔族は、挟み撃ちになっていたことに驚いた。

 体つきから雌のようだ。

 驚いていたが、俊敏に姜の腕を取ると、ジアンを気絶させた。

 その隙に、珂英カインウォは、背後から魔族の雌に頭陀袋を被せて捕らえたのだった。


 ♦️


 夕刻、その魔族は解き放たれた。

 そして、その後を珂英カインたちの隊が追った。

 香木を用意して、火攻めにする作戦だった。

 解き放った魔族には、後をつけていることは悟られるわけには行かない。

 慎重に、ことは進められた。


 ドレーヌのイシュア地区からそんなに遠くないところに低い山があった。

 その山の中腹には、洞窟があると言う。

 古い記録だったが、イシュア地区に住む人々の記憶であった。


 雌の魔族はそこを目指しているようだった。


 何匹いるのか分からない。

 念には念を入れて、準備は進められた。


 戻ってきた魔族は、仲間に暴力を受けていた。

 後をつけられたかも知れないのだ。


 小隊長の金傑輪キム・ジェルンが、大声で香木を焚いての突撃を命令した。


 案の定、ディン族は火や炎に弱くて、洞窟からどんどん出て来た。

 珂英カインは、逃げてきた魔族に油を塗った火矢を射かけていった。

 ディン族は、嘘と言うくらいに良く燃えた。





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