第13話 ディン族の弱点
ドレーヌの拠点でも、被害が出ていた。
人によく似た外見をしており、昼の只中に平然と人を襲っていた。
作戦会議は、何度かたてられたが、ディン族の巣が何処にあるのかさえ分からなかったので、たてようがないのだ。
毎日のように、干乾びた死体が何処かに転がった。
自分と同じ兵士が犠牲になっていくのが……
何故自分は、魔族に出くわさないのか?
それが
(夜……篝火には寄ってこない……アルゲイ族は、水に弱かった……もしかして、ディン族は火に弱いのかも?)
珂英は、思い付いたことを小隊長の
「なるほどな……それで夜は身を潜めてる訳か……人は火を使うからな」
「一匹で良い、魔族を生け捕りしろ。そいつを夕方に放すんだ。後を付ければ巣が分かる……どうだ?」
「おれに命令をするな!! おれはお前の上官だぞ!」
「そりゃ、知ってるけど?」
「魔族の生け捕りはお前がやれ!! 一匹で良いんだろ? この軍にお前の名刀に敵うものは一人もいないのだからな」
「はいはい、それじゃあ明日にでもな」
「命知らずの
「助太刀なんていらねぇえぜ?」
「助太刀じゃなくて、お前の後ろに恨めしそうな顔で立ってるんだ!!」
♦
そして明らかに、人間とは違った、でも人間によく似ている魔族を見つけることが出来た。見た目の美しい魔族だった。
「いいか、俺が囮になる。2人は頭陀袋にあいつを入れろ!!」
「ズルいぜ、
「へっ!?」
「俺だって、早く将軍様のようになりたいんだ。囮役はオレに任せろ」
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