第2章 大山脈の北の国
第6話 名刀、宗平(ムネヒラ)
「あれ? 父ちゃん。あのおじちゃんは何処に行ったの?」
「あの、叔父のことは忘れろ」
「でも~~?」
「忘れるんだ。俺も忘れる」
言い聞かせるように、
《いつか、血族の者が魔族になる》
そう言って再び姿を消したが、
その予言の者が誰かを……。
この時、
幼いながら、異能の持ち主である、
(俺はもうすぐ死ぬ……、叔父はもう人ではあるまい、であれば、残るは
そうして、
昔、拾った
そして、半年後に息子の住む
「
「父ちゃん? どうしたの?」
「父しゃん、手がイタイ、イタイね。
二歳の
「ありがとう、
もう一度寝ておいで」
「でも父しゃん、オムネに黒いカゲがあるよ? イタイでしょう?」
「気にするな、婆様。
朝早い時間の突然の訪問に、
「父ちゃん?」
「
「当り前だよ、俺は大きくなったら、都に行って
「良い心がけだ。その誓いを忘れぬように、父と今一度約束をしてくれ。
魔族に屈してはならぬ。お前は英雄となるのだ。そして、この刀がお前の力となる」
「銘は
「それ、ソウヘイじいちゃんの名前?」
「陶国での名前らしいな。俺も知らぬが、陶国では、魔族のことを
「でも、帝に命狙われて、命からがら逃げただけじゃん? 格好悪いよ~~」
「それでも、鍛冶の里に伝わる秘法は守り切ったのだ。それも俺の代で終わるが……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます