第3話 蓮の上の赤ん坊
(!?)
すると、驚くこと大きな蓮の《はす》の葉の上に生まれたばかりの赤ん坊が、裸で流されてくるではないか。
「なんと!!」
へその緒が付いてる赤ん坊を、何故に川へ捨てたのか。
女の子なのは見て直ぐに分かった。
村では父の帰りを、今か今かと待ちわびていた
「父ちゃん~~ おかえり~ あれ? その子は」
「婆様にまた、手間を増やしてしまうな。川に捨てられていた子だ」
「父ちゃん~ 婆様の所の薬草粥は食べ飽きたよ~ 俺は父ちゃんと暮らしたいのに~」
四歳の
「それより、
体温が大分下がってきておる」
「分かったよ」
直ぐに婆がやって来て、柔らかい布でで包まれると手当てがされた。
赤ん坊を抱いていた
だが
赤ん坊のことに夢中だったので、痛みは忘れていたが、右手がただれるれほどの大きな火傷を負ったはずである。だが、今、痛みは全くない。
布を取り去ると不思議なことにやけどの痕は何処にも無かった。
恐る恐る、手のひらに巻いた布を取ると、火傷の痕など何処にも無かったのだ。
「女の子だねぇ、名前は何とする?」
「大きな
婆は大きく頷いた。
「
「ちっこ~い!!」
長老のところで、他の村人の集落とは離れた場所で暮らしていた
「俺専用の召使にするんだ~」
等と言っていたが、
マークウェル英雄譚《後世に名前を語り継がれなかった英雄の話》 月杜円香 @erisax
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