第2話 宗平(ムネヒラ)
父の
珍しく、大山脈の麓の山が噴火した。
村の婆、
だがそれは、
村を一歩外に出ると、魔族がうようよといたのだ。
こんな中、大陸の西の地方の今の村まで移住してきた父に、改めて
噴火した山の近くには、近付けない。
山の近くには、有翼種アルゲイ族の巣があったようで、牙を持った爬虫類の目をしたアルゲイ族が、そこかしこにいた。
そのうち雨が激しく降り出すと、魔族の気配が嘘のように消えたのだ。
走って、川の近くを通り抜ける時に煙の出ている赤い石を発見した。
(紅輝石か?)
これを火の中に入れると高温になるのだ。
彼は、迂闊にも素手で拾ってしまった。
煙の出ている石をである。
それでも火傷は深くヒリヒリしていた。
(自業自得だ……仕方ない)
これ以上冷やすのを止めて、持って来た布で、右手を巻いた。その上からもう煙の出ていなかった紅輝石をもう一つの布で包み荷物の中へ、放り込んだのだった。
川は増水していたが、腰くらいまでの深さで、渡れないことは無い。
しかし流れが速くなっていたので、慎重に渡っていた。川上の方から赤ん坊の泣き声がした。
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