第5話  大晦日の夜

大晦日の夜から元旦の夜にかかて日本では異例の外出禁止命令が出された、外出禁止命を破ったものを拘束することはできないがその場で職務質問をされ帰宅を促される、爆弾魔がわからない以上仕方のない対応だった。国民はその決定に怒りを露わにした、ネットでは反発したもの達が暴れている、Aはネットの書き込みを見ながら微笑みながらコーヒーを飲む、Aの元いた会社はクリスマスイブに爆発されその日に社長が記者会見を行っていた、敏速な対応だ称賛されていたがAの会社も裏でやましいことをやっていた、Aの会社は子会社を作り子会社で裏で海外への人身売買をやらせていた、Aはそのことを知っていたが黙って働いていたが、Aが課長になった頃後輩に人身売買の相談をされた。「子会社から誰か女性派遣できないか?って言われてるんですけど」と相談されAは「子会社の仕事は手伝わなくていい」と言ってその話を流したが後輩は半年後「どうしても」と頼まれ何も知らない後輩は彼女を派遣させ、彼女が行方不明になったとたん後輩は自殺をした、Aは後輩をまもってやれなかった悔しさから会社を辞めた、マスコミに人身売買の情報をながそうとしたが発売日前に情報が潰されるというのが何回もあった。Aはそのことが許せずに今回の事件を起こすことになる、自分たちと同じような仲間が何人か集まればこの国をひっくり返すこともできるんじゃないかと心のどこかで思っていた、もちろん捕まったら死刑だろうが捕まるまでは全ての恨みを晴らしたかった、初対面の日Dと話をしてDと同じ境遇なことを知りこの作戦を絶対成功せなければならないと思った。

今頃配達員が四人の恨みをかっている家庭にお歳暮を贈っているはずだ、30分後には爆破のニュースが飛び込んでくるだろうと思った、配達員を逃がす方法も考えなければいけない、いくらマスクと眼鏡をしているからと言ってインターホンに映った配達員を置いておくわけにはいかない、少しの金を握らせて海外に行かせることも考えたが使い捨てにした方が早いと思い、そのまま別のところに配達員を向かわる。

予定爆破時間から30分後速報として4件の自宅が爆発されたことが流れている、死者や重軽傷者までわかってはいないがあの爆弾の威力で死なないわけがないとAは微笑んだ、ネットの雰囲気も少し変わってきた。【今度は個人攻撃なのか?】というコメントが増えた、当たり前だろと思いながらネットを見ている、会社に恨みっていう人間もいるが大体は個人に恨みがあることが多い、会社全体に恨みがある人は珍しいだろってAは勝手ながら思った。除夜の鐘が聞こえる時間、川崎大師が爆破された。

川崎大師を選んだのはDの社長が必ず行く場所だということを知っていたからだ、配達員に尾行をさせ社長が目的地についたら「落としましたよ」と言って荷物を渡してこいと話してあった、渡して3分後に爆破する時限爆弾をつくっていた。これだと標的の人物は逃げようがなくこの世を去ることができる、Dとは違う場所にいるがDは微笑んでいるだろうか?と思いながら遠くから聞こえる除夜の鐘を聞きながら眠りについた。

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