第4話 大晦日
Bは一人で街を歩いていた、爆破事件以来一人で街を歩く気分になどならなかったがずっと事務所にいると気分もやられてくるので街を歩くことにした、渋谷に行こうと思い渋谷に行くと普段の渋谷よりも人が少なくなっていた、あんな爆破事件が起きて解決もしていないのに渋谷に行こうなんて思う人は少ないだろう、Bは爆破現場で手を合わせ道玄坂の方へ歩いていく、道玄坂は元彼女とよく行ったレストランがある、そこに18:00から一人で予約をしていた、彼女と別れてというか彼女が亡くなって初めて一人で行くレストラン。彼女はBと同じ会社に勤めていて社内恋愛をしていて社員全員知っていたが、それを良く思わない部長が元彼女を襲いそれに病んだ彼女は自殺した、自殺する前に全てを聞かされていたBは部長と社長に話に行ったが「そんな事実はない」と言われてしまったが社長は「そんな誤解が生まれるなら部長を一週間の謹慎とする」と言って謹慎となったが、Bは納得いかなかった。Bが直談判した二日後に元彼女は自殺した、Bはどうしたら良いか分からずに会社に辞職願いを出した、遺書には会社であったことが書かれていたが大手企業だった為会社がその情報を潰し、部長をクビにしてその話は終わりになったがBとしては納得がいかない結果となった、そんな時にAが出している書き込みを見つけた、Bは半信半疑どAに会ってみたがAは本気でこの社会がゴミだということをBに伝えてきた、Bは確かにそうだなと思いAに感銘を受けこのチームに入ることにした、会社を爆破したところで部長への恨みは晴れないが、社長の慌て具合が頭に浮かぶ、元部長はなにをしているんだろうか?と思ったりもしたがBの気持ちは晴れることはなかった、会社が爆破されたところで元彼女がもどってくるわけでもなく、部長がケガ一つでもしたわけでもない。
Bは舌打ちをしながら予約していた美容室に入り身だしなみを整えた、元彼女とそこのレストランに行くときはいつもそうしていた、値段が高いとかそういうわけではないが、少しきちんとした方がいいだろうなと思わせるようなお店だった、初めて来店したときには「私たちには合わないよね」と苦笑していたが、オーナーシェフや店員さんが話しかけてきてくれて馴染み深くなった店であった、あいつが亡くなってから二年が経ち始めてそこに行く、もう自分の顔なんて忘れているか自慰分の顔を知っている人なんていないだろうと思いながら店の扉を開けると「いらっしゃいませ、お久しぶりです」と知っている笑顔の店員さんが待っていてくれた。自分は何かが変わってしまったが、変わらないお店があることは良いことだと思いながら、コースを2つ頼んだ、店員さんには元彼女の事を伝えたら「大変でしたね」と言われたがコースを2つ頼むことには嫌な顔はされなかった。Bは自分には戻ってくる場所があってよかったと思った。平和な大晦日に幸あれ
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