第2話 聖なる夜に爆発を

12/24 15:00 大手の会社三社から爆発があったとニュースでやっている、三人は予告時間とはずらし、恨みのある会社三社を爆発させた。バイク便で若者たちに配達させ、荷物を開けた瞬間に爆発する仕組みとなっていた。六人の若者を配達に出させ階ごとに荷物を渡し若者たちは事務所へ戻ってきた、逃げるものは一人もいなかった。それが爆弾と知らずに届けているので若者たちに罪悪感はない、何も知らないのだから罪悪感も沸くはずもない、地下の部屋は個室になっていてプライベート空間は守られているがテレビや携帯、ラジオなど情報源になるものは一切なかった、面接に受かった者は携帯は没収される代わりにまず三万円渡される、契約終了までに150万を約束するという契約で地下の個室にはいる、10人個室に入っているので一か月1500万円飛んでいく計算になるがそんな大金を払おうとは三人は思っていなかった。若者を俺たちと同じ社会の歯車なんだから使い捨てされてなんぼだろうと思いながら10人を見ていた。

17:00 国会議事堂が爆発されたというニュースが飛び交う、テレビでは「これは完全なるテロ行為」だと報道されていたが三人にテロの意識はなかった、死者には国会議員も含まれているという情報が入ってきた、犯人は二人組でその場で逮捕されたとういう情報も入ってきたので三人は残りの8人を連れて事務所を後にした、万が一のために事務所は複数用意してある、二人には最初の三万しか払ってないのと顔を見られてないので三人が捕まる心配もお金が飛んでいく心配もなかった。面談は三人とは違うDと呼ばれているものが行う、Dは爆破行為に興味がなかったがこのグループに興味があり面談だけを買って出た、Dは大手企業の人事部長として面接もしていた経験もあり人を見る目には自信があった、こいつは洗脳できそうか、できなさそうかっていう判断は得意だった。ある日Aが「Dの会社は爆破させなくていいのか?」と聞いてきたがDは断った、特に会社に恨みがあった訳ではなく、社会の歯車にされているのに嫌悪感を覚えて会社を辞めただけなので特段として会社に恨みがあったわけではないが、16:30にDのいた会社も爆破された、この爆破は会社側が隠しメディアに出るまでが遅かった。あの会社は表にでるとまずいことをしているので社長がメディアにストップをかけたに違いないと思った。

Dの会社は表向きは製薬会社だったが、裏では海外へ人身売買を行っていた、「薬を作るには金がかかる」というのが社長の口癖で、路上立って騙して連れてくる従業員もいれば、Dみたいに面接で使えないと思った人間を海外に派遣してそのまま売ったりしている会社であったので社長はそれが表立ってはいけないと思い警察やメディアに情報を出すのを遅らせてとみられる。Dは会社に恨みはないとは言ったが社長には恨みがあった、当時付き合っていた彼女が製薬会社に拉致られ海外に売り飛ばされた、それを知ったDはこの製薬会社に入り社長への復讐へと思ったのだが途中でバカバカしくなり人事部長になって3年で退職をした、社長がどんだけ慌てふためいているか気になりはしたが見ることも叶わなかった、会社の爆発よりも社長の死を望んでいたDには物足りなく感じたので「やっぱり俺も会社に恨みがあるのかな」とぽつりと一人でいる事務所で呟いた。

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