第2話
――にしてもあいつ、見ない顔の奴だな。
ここ最近、毎日のようにお参りに来ては俺の眠りを邪魔して行く。
こんな寂れた神社、地元の人間ですら祭りみたいな特別な時意外は近寄らないって言うのに、物好きな奴ももいたもんだ。余程叶えたい願いなのか?
「まぁ、俺には関係ないけど」
人間を追い払う事に成功し、満足した俺はもうひと寝入りしようと社に向けて踵を返した。
だがその時突然に、フッと耳元で息を吹きかけられて、ビックリして後ろへ退く。
思わず体重を後ろにかけ過ぎてしまった俺は、すぐ後ろにあった賽銭箱に蹴躓き、更にその後ろにあった
“ドンガラガッシャン”
もの凄い音が朝の静かな境内に谺する。
「いっってぇ~な、バカヤロー! 誰だ、変な事しやがった奴わっ!?」
打った頭をさすりながら、痛みを堪え起き上がると、俺はそう怒鳴りながら先程まで自分がいた場所へと視線を向けた。
するとそこには、ニコニコと笑いながら手を振ってくるふざけた野郎の姿があって
「てめぇか、このやろ~~~!」
そのふざけた野郎のふざけた態度に、感情のまま怒鳴り付けた。
だが、相手が誰かを認識した瞬間、俺の頭に昇っていた筈の血も一瞬にして引いて行く。
「……って、師匠~?!」
「はい、お久しぶりですね、
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