第10話

俺は真依を抱き上げると、クルッと向きを変えて膝の上に乗せた。


それに真依がどんな顔を浮かべたのかは分からないが、いつも通りなら笑顔になってるだろう。




「マジか!」



「総長、本当に真依ちゃん好きッスねー!」




これだけでも安心しただろうけど…



もう一つ_



周りのはやし立てる声を無視して、今度は絶対に真依が喜ぶアクションを起こす。




「真依、好きだよ」




チュッ_




もう一度抱き上げて横向きにさせたあと、俺は真依の頬にキスを零した。




『ギャーーッ!』




周りが興奮の声を上げる。




─ったく。


たかが頬チューでそこまで騒ぐか?




そんな周りの反応の中、真依はというと─


まん丸のおめめをパチパチさせて驚いたあと、

キスされた事に気がついたのか照れ笑いを浮かべた。




「えへへ」




可愛いな。



………。

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