第6話

「真依、階段気をつけろよ」



「みっ…きしさまにおぶってもらうー!」



いですぞ!では、持ち上げます!」




そう言うと道弘は真依を片腕で抱き上げ、部屋の扉を開けた。



持ち上げます─?




「アイツ、騎士つったよね?

言葉遣いが訳分からん過ぎて、流石に笑えないんだけど…」



「道弘だからしょうがねぇ。


_俺たちも下行くか」



「だねぇー。

にしても疲れたなぁ。秋良ぁ、おぶって」




甘えた声で両手を差し出す凜人に、俺はバシッと両手で払った。




「ふざけんな。だったら一人で休んでろ」



「はいはい、歩きますよ。

休むわけないでしょ。折角の“下準備”をさ!」



「だったら最初から自分の足で歩け」



「だぁって、誰かさんのせいで疲れたんだもぉん」



「その口調やめろ。

あと、お前が “いつも” “毎度” 真依を口説くからだ!」



「ふふっ。

真依ちゃん、俺にぞっこんだもんね。

大変だね、お兄ちゃん。


俺はこの顔に生まれてきて良かったー!」




そう言いながら部屋から去って行く凜人に、殺気が芽生えながも、真依の前で喧嘩は良くないので理性をフル活用して抑えこんだ。

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