第6話 デスバレー越え
US-395沿いのローンパインで1泊。シェラネバダ山脈の最高峰マウントホイットニーをはじめ、雪に覆われた山々。特に早朝と夕方が美しい。
4月23日。US-395→ルート136→ルート190でデスバレーを越える。
第2次世界大戦中多くの日系人が連れて来られた、マンザナー強制収容所があった付近。
彼らはこの澄んだ空と山々を見つめながら、荒涼の大地を開墾していたのかと思う。爽やかな風が心地よくもせつない。
広大な景色に、ついついスピードオーバー。気がつくと後ろにパトカーがいた。カナダBCナンバーのセンちゃんを見て
「ここはカリフォルニア州だぞ!」
とマイクで警告を発しながら追い越して行った。
ルート136では上りが続き、太陽光がジリジリと車内を照りつける。
オーバーヒート予防策でラジエーターの温度計に注意しながら、エアコンもしばらくOFFにしておく。さすがに暑い!
訓練中の戦闘機がゴーッという爆音を轟かせて飛んできた。峡谷をひらりとかわしてゆく様子はまるで映画を観ているようだ。
狭いカーブが続くルート190では、多くの車がオーバーヒートを起こしていた。漆黒のクラシックカーまでも、デスバレーを越えたいのかと目を疑った。無謀としか言いようがない。
ルート後半は下り坂、直滑降コースが続く。ようやくエアコンをONに。Stovepipe Wells近くでガスステーションを発見、満タンだったガソリンは残り4分の1になっていた。
フロントガラス一面に描かれた、虫たちのドット絵をスポンジブラシで一気に洗い流す。
硫黄色の乾燥した山並みが続く、摂氏50℃の世界。肌を突き刺す太陽光にサングラスなしではいられない。ノースリーブと短パンで動き回る欧米人って?
途中、ヒスパニック系のスーパーに寄った。アイスキャンディーの美味しさに冷たいため息がでてくる。一瞬で全身にしみわたるヒンヤリ感が何ともいえず心地よかった。
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