第6話 スキル ※
レベル4になりましたので、ガチャが一部解放されます。
アキラ
レベル4
HP 28/28
MP 10/10
Exp 51/80
スキルポイント(sp) 5
G 255
保護時間 残 11日
アキラは自分の成長を実感する一方で、少し緊張も覚えていた。
「つまり、リバーサーペントは死んだってことか?」と呟いた。
「はい、そしてレベル4に到達です」ラピスが嬉しそうに答える。その声には、どこか誇らしげな響きがあった。
彼はステータス詳細画面を開き、職業欄をクリックした。選択肢は三つ。
「戦士、盗賊、魔術師」それぞれの職業が自分に何をもたらすのか、考えが巡る。
「盗賊かな……」と試しに聞いてみたが、「そのジョブはあまりおすすめしないです」ラピスは少し嫌そうな声で返事をした。
「やはり、戦士か?」と考え直すも、ラピスは「そうですか?」と冷たく答えるだけだった。
アキラは、ラピの反応に流されるように、「うーん、魔術師かな……」と口にした。
「はい、そうですね」ラピの声には、ほっとしたような響きがあった。
ラピスは、アキラが前線で戦うことを恐れていた。危険度は大きく変わらないことを知ってはいたが、蛇の毒で彼が死にかけたとき、本当に彼を失うかもしれないという恐怖が心に刻まれたのだ。
アキラは、実際には戦士と魔術師の間で迷っていたが、ラピすの反応から魔術師を選ぶべきだと悟った。
迷いを断ち切り、魔術師を選択する。すると、ステータスが変化した。
STR(力) 5 → 7
AGI(敏捷性) 6 → 8
INT(知力) 9 → 31
END(耐久力) 6 → 8
LUK(運) 51 → 53
CHA(魅力) 9 → 21
ジョブを選んだことでステータスが増え、特に知力が上がった。そういえば、頭の回転がいつもより少し早くなっている気がする。
ほんの少しだが、まるで思考が冴える感覚だ。前世ではどうだっただろうか? 決して頭が良いとは思えなかったのだが……
彼は次に、メニューから新たに解放された強化画面を開いた。取得可能なスキルをじっくりと眺める。
しかし、今のレベルでは選べる魔法はまだ多くなく、スキルポイントが足りないため、選択肢は限られていた。
獲得できるスキルは、以下だ。
火魔法:ファイアーボール(5sp、MP2 )
水魔法:ウォーターボール(5sp、MP2 )
土魔法:アーススパイク(5sp、MP2 )
風魔法:ウインドブラスト(5sp、MP2 )
生活:ライト(5sp、1回使用時 MP2 )
アキラはラピスに魔法について尋ねた。ラピスは丁寧に説明してくれ、その説明を聞くうちに、彼は次第にファイアーボールに魅了された。
威力がありそうだというのもあるが、何より直感的にこれが自分に合っていると感じたのだ。アキラはファイアーボールの魔法を選び、画面を閉じた。
「それじゃ、ナイフの回収だ」と静かに立ち上がった。本当は、新たに習得したファイアーボールを試してみたかったが、今はそんな余裕はなかった。
リバースネイクと格闘した場所に戻ると、水蛇の血痕が川上の林へと続いているのを見つけた。
そして、林に入る手前の野原で、息絶えたリバースネイクの死骸を発見した。
死体と分かっていても、アキラは恐怖にかられ、慎重にリバースネイクに刺さったナイフを回収しようとゆっくり近づいた。
そのとき、視界の端に小さなゴブリンが林から走ってきて、アキラよりも先にナイフを抜き取ろうとするのが見えた。
「おい! それは俺のナイフだ!」 もちろんそんな抗議が通じるわけもないが、思わず声を上げてしまった。
このままではゴブリンに唯一の武器を奪われてしまう。
しかし、こちらは素手であり、近づくのは危険だ。
アキラはファイアーボールでゴブリンを遠距離攻撃し、成功すればラッキー、失敗すれば逃げると決心した。
半身に構えると、全身に魔力がみなぎるのを感じた。深く息を吸い込み、静かに呪文を唱える。
「ファイアーボール!」
手のひらを天に向かって広げると、周囲の空気が一瞬ひんやりとした。次の瞬間、手のひらの中心に赤光が現れ、それが燃え上がる炎の小球体へと変わっていった。
「成功だ!」
揺れる火の玉はアキラの意志に応え、彼が左手を振り下ろすと、炎の球はゴブリンに向かって放たれた。
しかし、狙いが外れ、火の玉は林の中に飛び込み、瞬く間に炎が広がった。
その瞬間、ゴブリンは攻撃を察知し、ナイフを手にこちらへと向かってきた。思ったより速い。
「まずいな……」
アキラはリュックを背中から下ろし、盾の代わりに使おうとした。ゴブリンが近づくと、その大きさはアキラの腰ほどしかなかった。
左手でリュックを低く構え、再び呪文を唱える。
ゴブリンが一直線に突っ込んできたため、アキラはリュックでナイフを受け止めた。
右手で再び作り出した火の玉をゴブリンに叩き込むと、ゴブリンは悲鳴を上げる間もなく、炎に包まれて倒れた。
リュックに刺さったナイフを取り、ゴブリンを確認しようとしたが、すでに事切れていた。
再び静寂が戻る。アキラの右手にはまだ熱が残っていた。
※※※
「それで、ついでにもう一つ調べてほしい」 黒神は封筒を机の上に置いた。
山吹はキッチンでお湯を沸かし、インスタントコーヒーを二つ入れて、一つを彼に手渡した。封筒の中身を確認すると、彼女は満足げに微笑んだ。
「何かしら? バイトの報酬は十分だから、話だけは聞いてあげる」
長い髪をポニーテールにまとめ、耳のイヤリングがリビングの光に反射して輝く。
「ああ、お前の友達が、何故そんな都市伝説の話をしているのか調べてほしい」
猫舌らしい彼は、コーヒーに息を吹きかけながら、慎重に飲んでいる。
「確かに。わかったわ」 気が重いが、調べる必要があるだろうと彼女は思った。
「大学はどうだ?面白いのか?」
黒神のありきたりな質問に、山吹は驚き、思わずコーヒーを吹き出しそうになった。彼がそんなことに関心を示すとは思いもよらなかった。
「どうしたの? 気になるの? 理系は女の子が少ないから、紹介できる子もあまりいないけど」
「そういう意味じゃない。ただ……」
あの子も病気じゃなければ違う選択をしたのかなと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます