第29話 【親睦会パーティー・1】
金曜日、俺達は明日あるパーティーの為に授業が終わって直ぐに近くのショッピングモールへと向かった。
既に椅子や机、食器等の家具類は既にあるのだが食材系は今日買おうと皆と予定を合わせて買いに来た。
「三家族、だから大体10人位かな? 俺と智咲は兄妹居ないけど、式守は兄妹は居るのか?」
「弟が一人居るよ。だから、武蔵君達の家族と合わせたら丁度10人だね」
「了解。ってか、弟が居たんだ」
「うん。来年高校に入る年で、私と同じようにアカデミーに入りたいって行ってるから、普段は訓練ばかりしてるんだよね」
その後、買い物をしながら式守の弟について聞いた。
「武蔵君、その今度のパーティーの時に何かアドバイスとかしてくれないかな? 私が言っても意味が無くて、ただ無茶な訓練ばかりしてるんだよね……」
「別にいいよ。その歳の頃は、無茶な訓練ばかりして怪我する子とかが多いからな、力になれるか分からないけどしてみるよ」
式守の頼みにそう返答して、俺達は明日のパーティーに必要な食材だったり雑貨類を購入してパーティーハウスへと荷物を置きに行った。
前日の準備を終え、陽が沈んだ頃に家に帰宅して家族と一緒に夕食を食べてその日は少し早めに寝た。
「……ここが本当に武蔵達のパーティーハウスなのか?」
「嘘でしょ?」
「本当だよ。今から待機してもらう所まで案内するよ。建物の紹介はその後にするから待ってて」
驚いて固まってる父さん達に俺はそう言って、手を引っ張って中へと案内した。
それから少しして、智咲と式守が自分達の家族を連れて来たのだが俺の両親同様に参加族の家族達は驚き固まっていた。
「この建物自体が
「うん。そうだよ。この建物は俺達パーティーの所有してるパーティーハウスだよ」
三家族を代表して、俺の父さんが聞いて来た質問に対して俺は笑みを浮かべて答えた。
「何処からツッコんだらいいのやら……って、そうだ。式守さん達は初めましてでしたね。挨拶が遅れてすみません」
「あっ、いえ。私共も娘に連れてこられた場所に驚きすぎて、挨拶が遅れました」
父さんはまだ建物に対して色々と言いたい事があるみたいだったが、ふと隣に立っていた式守の両親に挨拶をした。
式守の両親も自分達が挨拶するのを忘れていた事を思い出し、両親達はそれぞれ互いに挨拶を交わしていた。
その後、未だ驚いてる両親達と式守の弟を連れて、俺達は建物の紹介をして回る事にした。
「む、武蔵さんって、あの有名な神代家の人なんですよね?」
「そうだよ。まあ、本家とはちょっと色々あって離れてるけどね」
流石に広すぎる為、一度休憩を挟む事にするとその時、式守の弟である陸が話しかけて来た。
最初見た時から思っていたが、式守の弟は歳の割には体が大きく180㎝と高身長な上、体格がいい。
一目見て、俺は式守の弟がタンク役してくれたら助かるなと、直感的に感じた。
「式守から聞いてるよ。伸び悩んでるんだろ? 何に悩んでるんだ?」
「……自分、昔から剣士に憧れてたんです。ですけど、成長するにつれて身長は大きくなるし、体は大きくなったんですけど【剣術】が全く伸びないんです」
「ふむ……剣術はどんなのを使ってるんだ?」
そう聞くと、陸は自分が使ってる剣術のスタイルを説明してくれた。
陸の扱ってる剣術は、片手剣と盾を使って自分から攻撃を仕掛けるタイプの剣術だった。
「正直、陸の才能とか全く知らないうえで言うと、その体格に合ってない剣術だな」
「体格に合ってないですか?」
「ああ、そこまで恵まれた体格を持ってるんなら、もっとドッシリと構えた剣術の方が俺は合ってると思う。まあ、言ってしまえばアタッカー寄りのタンクって感じだな」
今の剣術スタイルからいきなり、大きく変えると逆にどうすればいいのか分からなくなる。
なので俺は、今のスタイルから少し変えようという風なアドバイスをした。
「タンク……姉からもそんな話をされた事がありますけど、自分は本当に出来ますかね?」
「俺は出来ると思うよ。本職って訳ではないから、完璧に教えるのは無理だけど後で少し教えてやろうか?」
「良いんですか!? 是非お願いします!」
陸は勢いよく俺に向かって頭を下げ、大きな声でそう言った。
その後、建物の紹介に戻り大体の施設の紹介を終えた俺達は、最後に親睦会パーティーの会場へと移動した。
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