第14話 【レベル上げ・2】
数時間後、俺達は地下五階で狩りをしていた。
もう少し下に降りてもいいのだが、レベル差もあってこれ以上下に行くと面倒だと思い、ここで暫く狩りをする事にした。
「武蔵、ここのゲートで何レベまで上げる予定なの?」
「まあ、40は確実に行きたいな。出来れば、45位まで上げたいけど難しいだろうな」
「30以降はレベル上がるのが遅いものね。回帰前は、それこそ何日もゲートに籠って上げてたりしてたわよね」
「確かにな、あの当時は神代家や一ノ瀬家からの小言が聞きたくないって言うのもあって、誰にもバレないようにゲートに行って隠れて修行みたいな事をしてたよな」
そんな感じで昔の事を思い出しながら、俺達は狩りを続けた。
一日目はこのゲートに慣れる為、五階以降には進まず疲労がたまった段階で安全な場所を見つけて休憩をする事にした。
「智咲、レベルどう?」
「う~ん……32になってるわね。まあ、初日だしそんな急には上がらないわよね」
「だな、まあそれでも他の低ランクのゲートよりかはレベルが上がるのは早いだろうな」
本来、俺達レベルが行けるのは30レベルが行けるくらいのゲートしかいけない。
しかし、一ノ瀬家が管理をしているゲートなのでその辺の確認が無く、俺達はこうして自分達よりも上のランクのゲートに入れている。
「ふと、今考えたんだけど16歳でこのレベルって異常よね。夏休み明け、アカデミーから何か言われそうじゃない?」
「そこはまあ名門家系って事で、何とかなるんじゃないか? 俺も智咲も、家としての格は高い所だから」
アカデミーの生徒の平均レベルは、大体が15~20。
そんな中、俺達は既に30を超えていて40以上を目標としている。
「確かアカデミーって、何かと生徒同士で競い合うような授業が無かったかしら? このままだと、私達無双しそうね」
「……出来たらいいけど、参加させてもらえるのか怪しいと思うぞ。回帰前、確か長期休みで俺達みたいにゲートに行きまくってた生徒が他の生徒と釣り合わないからって、参加させてもらえなかった記憶がある」
「あっ、そう言えばそんな生徒もいたわね。という事は、私達もそうなりそうね」
「まあ、逆にその方が良いけどな参加して、手加減出来ずに怪我させたりするリスクが無いからな」
俺と智咲は手加減が苦手な人間。
その為、回帰前の世界では人に教えるという事がかなり苦手だった。
そうして話をしながら食事を終えた俺達は、交代で数時間睡眠をとって、再びゲートの探索を始めた。
「ふぅ……弱すぎる事もなく強すぎる事もなく、良い感じの敵が出てきてるわね」
「予想通り、ここは今の俺達にとって良いレベル上げスポットだな」
ゲート探索二日目は、五階から更に下にもぐって七階でレベル上げをしていた。
出て来る魔物は複数個体が多く、狩りの効率が良い。
既に二日目は、俺と智咲はレベルが一つずつ上がっていて、今日中に35にはなりそうな予感がしている。
「昨日も少し思ったけど、属性魔法のスキルレベルは大丈夫か? 同じ属性を多用してるように感じたけど」
「ええ、均等に上げているわよ。この間の大鬼との戦いで、少しスキルレベルのズレがあって調整をしていたの」
「そうだったのか、確かにあの時は結構同じ魔法を出してたからな」
今日の狩り中、智咲はずっと風属性魔法を多用している様に見えた。
俺がその事を指摘すると、この間の戦闘でスキルレベルの差が出来ていたみたいで、その差を埋めるためにわざとやっていたみたいだ。
「そういう武蔵は、スキルレベルはどうなの?」
「割といい感じだけど、【弓術】に関しては全く変わってないな」
【弓術】の訓練をしていたのは小さい頃、成長してからは殆ど触ってない。
それにゲートでの探索をしてる際は、後衛に智咲が居るからスキルレベルを上げる機会が全くない。
「確かに全く使ってないわね……でも、回帰前は弓も使う戦闘スタイルだったし、訓練しなくてもいいの?」
「う~ん……しておきたいけど、今は他のスキルの方が大事だからな。落ち着いたら【弓術】の訓練もするよ」
「武蔵が考えてそうしてるなら、私もこれ以上は言わないわ」
その後、スキルに関してはそれで話を終わらせて俺達は狩りに集中する事にした。
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