第33話
「恭介くん、もっと力抜いてー……」
「え、えっと……? 僕が力を抜くんですか……?」
篠原先生は、何故か僕を触り始める。後ろから抱きついてくる体勢で、僕の股の間に手を入れてくる。太ももの内側をスーッと篠原先生の指がなぞっていく。
「千尋先生の準備も必要だけど、恭介くんの順番も必要だからね?」
「じゅん、び……? 高橋先生に気持ち良くなってもらうには僕にも準備がいるんでしたっけ……?」
篠原先生は僕の耳に吐息がかかるように囁いてくる。唇が耳に触れると同時に、股の間の物にも何かが触れた気がする。ザワザワと何かが身体を駆け巡る。
「準備は大丈夫そうかな? それであれば高橋先生に前を向いてもらいましょ? 最初は後ろからよりも前からね」
「は、はい……? 肩のこりをほぐすのは肩甲骨辺りかなって思ってたんですけれども……」
僕の言葉には耳を傾ける様子もなく、高橋先生を起こして向きを変えさせる。高橋先生も、なんだかよく分からない風に首を捻りながら、仰向けになる。
「なんかよく分かんないけどー、これで気持ち良くなるのー? 結構つらいから、早くして欲しいんだけどなー?」
「うんうん、わかるわかる。千尋先生の気持ち、よくわかります。ただ、急いでも気持ち良くならないので、ゆっくり高めあっていかないと!」
「は、はぁー……?」
高橋先生が仰向けで寝転がる。
大きな胸は、寝転がっても山脈のように二つ連なっている。ウエストに向かっていくに連れて細身になっているので、多分カップ数はすごいことになってるだろう。篠原先生は、僕とは逆サイドに立った。
「えっと、篠原先生……? これからどうすれば良いんでしたっけ……?」
「お待たせしました。次はやっと上半身だよ。やっぱり男の子って、上半身が好きなんだよね。好きに触っても良いけど、基本はさっき教えた通り、中心に集めること」
「……と、言いますと?」
篠原先生は、口を結んで下唇を出した。
「なんで分からないんだろう?」って顔に書いてある気がするが、僕は一向に分からないです……。
「もうー! どれだけ素人なの? まぁいいか。もう一回教えてあげるか。まずは、そこに見えてる大きい胸に手をかけます」
「えぇ、えぇぇー……!?」
篠原先生は、相変わらず真っ直ぐで、綺麗な瞳で僕に言ってくる。
「ゆっくり優しくね。好きに揉むのは、ただの自己満足だよ? 真ん中に集めるように、ゆっくり触ってー」
「あ、あの? 本当にあってますか……? 本当に触れば……? 高橋先生に失礼じゃ?」
「わたしは、大丈夫よー! これで気持ち良くなるなら、なんでも来いっ!」
高橋先生からは、よく分からない漢気を感じさせられる。篠原先生には、「いけいけ」と、期待の眼差しで見つめられるし……。
ここにいる男は僕一人だけだというのに、その僕だけが情けない。そこまで言うなら、やるしかないってことだよね。よしっ……。
「あ、やわらか……」
「ん、ん……。なんかくすぐったいよ……! もっとしっかり揉んで……」
「は、はいっ!」
手のひらに収まりきらない大きさ。両手だろうと多分入り切らない気もしてくる。それを両方をいっぺんに。強くならないように優しく、かと言ってしっかりと揉む。
「恭介くん、いいね! ちょっと腰引けちゃってるから、いっそ千尋先生に跨ってみよう! その方が恭介くんの気持ちも高まるし! ほらほら!」
「恭介くん、いいよ。来て来て……」
僕は、肩こりを治すために頑張ってるであってるんだよな……。この異様な状況だと、何度でも確認したくなってしまうのだけれども……。けど、僕のミッションを遂行せねば。
「高橋先生、失礼します」
僕は高橋先生に跨って、上から両胸を揉む。下からすくい上げるように優しくも強く。
「いいよいいよ、恭介くん! その調子! 一旦抱きついてみちゃおう! 顔を胸の間に埋めて!」
「え、あ、はい! 頑張ります! せーのっ! んんん……」
「あれ、えっと……、恭介くんと詩織ちゃん? これって、あってる?」
「大丈夫、あってる! 恭介くんの気持ちも高めつつ、千尋先生も高める! 良ければ、私も加わりますね! 私は恭介くんの後ろから二人を攻めますね」
また背中に、柔らかな感触がやってきた。
「恭介くん。千尋先生が終わったら、私にもお願いしたいな……? 若いから大丈夫だよね?」
「……んん、んん?」
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