第29話 またもや朝チュン!
チュンチュン、チュンチュン……
「ふぅわぁぁぁ~~~、もう朝かぁ……」
今回は、何というか……より緊張した、
何かのは弾みで眼鏡を壊しちゃったらどうしよう、とか、
お身体に、変に痕を付けてしまったりしないかと……
(カタリヌさん、激し過ぎなんですよ)
でも、とても気持ちよく眠れました、人肌って良いね!
詳しい感想について触れるとイケナイのでふんわり言うと、
えっカタリヌさんって本当に初めてなの?! っていう、以下略!!
「起きられたようですわね」」
「あっカタリヌさんおはよう、先に目が覚めてたの?」
「メイドたるもの、御主人様より先に起きなければなりませんわ」
うん、眼鏡もばっちり決まっている、
寝起きのカタリヌさんも美人なんだよなぁ……
「グエエエエェェェェェ~~~……」
「うっわ、またダークネスドラゴン!」
「今朝も散歩のようですわ、ブランカの日課になったようです」
メイドとして仕事でやっているなら、
たまに誰か代わってあげないといけないな、
僕だと……うん、間違いなく振り落とされる、下手すると踏みつぶされちゃう。
「そういえば、あのドラゴンに名前付けなきゃ」
「後ろの子供にもですわ」
「どれがオスでどれがメスなんだろう」「それはですね……」
などと話していると……
コン、コンッ
「失礼しますね」
「あっはい、どうぞ」
入って来たのは副メイド長のサエラスさんだ。
「おはようございます、朝食の準備が整いました」
「あっはい、では食堂へ向かいます」
「それで……昨夜のメイド長は、どうでした?」「えっ」
サエラスさんがそんなこと聞くんだ!
「いかがでしたか、『夜伽』の方は」
「ええっとですねぇ、とても……良かったです」
「具体的には」「恥ずかしいから!」「お姉ちゃんに正直に言いなさい?」
何をどう言えばいいんだよう……
カタリヌさんを見るとチュッとキスしてくれた。
「サエラス、私はこの部屋の掃除をして休みます」
「はい、休日をごゆっくり」
「後は副メイド長に任せます」
あっ、昨日のアンヌさんと同じように、
僕と愛し合った後の朝は、掃除してお休みなんだ!
「はい、今夜は私にお任せあれ、ですね」
「ということでダルマシオ様、また明日」
「わかりました、サエラスさんの言う通り、ゆっくり休んで下さい」
こうして僕はサエラスさんと食堂へ向かう、
転移魔方陣の手前で僕の頭を撫でてくれる。
「カタリヌ様、とっても満足なされたようですね」
「えっ、覗いたの?!」
「いいえ、メイド長の機嫌がすこぶる良かったからよ」
そうだったんだ、
特段、別に気が付かなかった……
(無我夢中で、それどころじゃなかったよ……)
一応はアンナさんアンヌさんで僕も経験があったとはいえ、
お互い初めてに近いというか、いやカタリヌさんは間違いなく初めてだった、
満足して貰えたかどうかとか、よくわからないや……と転移魔方陣で移動する。
「坊ちゃま、勘違いしてはいけませんよ」
「ええっと、相手は単なるメイドだぞ的な意味ですか」
「違います、実はメイド長はダルマシオ様のことが以前から大好きなのよ」
(えええええ?!?!)
「僕ってそんなにカタリヌさんと親しい交流、あったっけ」
「ふふ、秘密です、今後はもっともっと親しい関係になるでしょうね」
「それって、ひょっとしてメイドとしてでは無く……」「秘密です、そのうちご自分でお確かになられて下さいね」
……なんだか少し怖くなってきちゃう、
僕としてはこうなったとはいえ、メイドは大事、大切ににしたいからね。
メイド長ならば、なおさら……
「おはよーございますっ!」
「あはは、かわいいメイドさんだね」
「きゅーさいですっ!!」
そうこう歩いているうちに良い匂いが、
食堂に入ると他のメイド三人が待っていた。
「「「おはようございます」」」
「おはよう、ドリーちゃん、タマラさん、アンヌさん」
「さあ席について、お姉さんがパンプキンスープをふ~ふ~してあげるわ」
こうして朝食をいただいている間、
アンヌさんの外見のまま、ユピアーナ様にお話を。
「ユピアーナ様、改めてこの屋敷、今後も村人に半分解放しているみたいな状況でも良いですか?」
「ああ、好きにすると良い」
よし、一応は許可を貰えた。
「ユピアーナ様のお金、残っている旧金貨とか旧銀貨とかは、
少しは僕の、王都の学院での資金にしても良いですか?」
「もちろんだ、少しと言わず好きなだけ使って良い」
いやそんな好きなだけって、
一応、この屋敷のメンテナンス費用とか残しておかないと。
(そもそもがユピアーナ様の、魔王討伐の取り分だ)
「ユピアーナ様、メイドとして学院についてきて貰えますか?」
「もちろんだ、元からそのつもりだ、むしろそのために封印が解かれたとすら思っている」
……これ、ユピアーナ様に何をお願いしても大丈夫そうだな。
「ユピアーナ様、アンヌとアンナ、両方同時に出せるようになりませんか?」
「わかった、ナンスィーと相談しよう」
「えっ、何とかなっちゃんですか?!」「古代魔法と近代魔法が組み合えば、あるいは」
……転移魔方陣なんてものが可能になったんだ、
分身魔法くらい簡単とか言われたらどうしようか。
(自分で無茶振りしておいて、何だけどね!)
「ユピアーナ様、急に突然『メイド飽きた』とか言って放り出さないで下さいね」
「それに関してはメイド長に誓わされた、御主人様にも誓った方が良いか」
「いえ、確認だけ出来れば良いです、今後ともよろしくお願いします」「私こそ」
うん、これでもう良いかな、とりあえずは……
本当に用事があればいつでも呼び出せそうだし、ユピアーナ様。
「ではドリーちゃん」
「えっ、お姉さんにご用?!」
「好みのタイプの男性は」「尽くし甲斐がある人よねー」
あっ、これ悪い男に騙されるタイプだ、
うん、十五歳の僕でもわかるレベルにはねっ!
「タマラさんは」
「私は、襲ってこない男性なら」「あっ」
「いえいえ大丈夫です、完全に受け身でいていただけたらおそらく私、出来るかと」
何をだ何を。
「まあそれはまた、夜伽のときにお話を」
「はい、今夜の次の次ですよね、楽しみにしています」
「い、いや別に、そんなお楽しみだなんて……」
一応、ユピアーナ様も聞くか。
「アンヌさんは好きなタイプの男性は」
「私か、アンヌとしての設定はだな……」
「いや設定って! まあいいや、続けてどうぞ」
それだとアンナさんも聞かなきゃいけなくなるな。
「私より強い御主人様を探してメイドになった、
今の御主人様は祖母の関係で仮で付いているだけで、
もし私に打ち勝つメイドが居ればいつでもそこへ……」
いやいや、それだと負けたらもう戻って来ないじゃん!
「それだけ、負けない自信があるということですよね?」
「当然だ、負けそうになったらユピアーナの力を少しずつ解放する」
「でも余裕こいてたら不意を打たれるとか」「私には無いな」
まあ魔王を倒した実力を信じよう、人に化けているとはいえ。
「わかりました、ウチの最強戦闘メイドとして信頼します」
「ちなみにアンナは『魔力の吸い甲斐のある男性』が好きだと言っていた」
「吸うんですか」「そういうスキルを設定しよう、実際に出来るぞ」
どうやって吸うんだろう、まさか、もしや……
(ひい爺ちゃんの残した、イケナイ小説の影響です)
怖いから今は聞かないでおこう。
「さあダルちゃん、今朝のデザートよ」
「何ですかこの真っ黒のカタマリは、ってチョコか」
「ひとくちサイズを三つよ、足りなかったらお姉さんに言ってね」
結局、六つ食べた。
「ごちそうさまでした!」
「さあ坊ちゃま、今日はお姉ちゃんと剣の稽古よ」
「あっはい、学院のクラス分けテストのためにも、頑張らなきゃ」
サエラスさん相手に、
まともに一本取った事、無いんだよなあ……
(よし、学院へ行くまでの26日間で、強くなるぞー!)
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