初日の出バーガー
※これは、キスがうまいだけの男が、掛け持ちバイトの仕事と仕事の合間時間に小腹が空いた時の出来事だ。
*
僕「あー、なんか小腹すいたなー、あ、ハンバーガー屋やん、寄ってこ」
ティロ リローン🎵(入店音)
店員さん「いらっしゃいませー、系内でお召し上がりですか?」
僕「え?系内ってなんですか?何系の店なんですか?」
店「当店では太陽系でお召し上がりになる場合に限って消費税率が変わりますので」
僕「そこ限らなくて良いでしょ、系外の人ていてるん?てか変なとこ来てもうたなー。最近こういう店よく当たるわー」
店「ご注文のほうよろしいでしょうか」
僕「あーはい、じゃあ、月見バーガーお願いします」
店「系内の月見でよろしいでしょうか」
僕「ほかは知らないので…」
店「ぷぷ、今のは冗談です。お客様笑ったのでスマイル代上乗せしときますね」
僕「え、金取るん?スマイル0円ちゃうんか、てか笑ってへんし」
店「えー、そんなー、スマイル0円なんて、キスがうまいだけの人の発想ですよ」
僕「……何も言えんけど」
店「そのほかご注文はよろしいでしょうか?」
僕「こっちの話、聞いてへんし。じゃあポテトを」
店「てことは、センター前でお召し上がりですか?」
僕「なんすか?また。店内って言ったし。センター前ってどこやねん」
店「レフト前ならすぐご用意できますけど」
僕「ちょっと何言ってるか完全にわかんないんですけども」
店「お客様、大変恐縮ですが、ポテンヒットは内野の頭を超えてしまいますので……」
僕「そこ恐縮されてもなー、普通のポテトないの?ポテンヒットじゃなくて」
店「当店、作り置きしないシステムなもので、すいません」
僕「システムとかじゃないんじゃないかなぁ、なんかさっきからモヤるなぁ、あーあ、後ろに列できてもうてるし、迷惑なるから、もう月見バーガーだけでええわ、はよ包んでください」
店「はい、ただいま……あっ、いけない💦、すいませんお客様、確認しましたところ、月見バーガーの販売期間が昨日までとなっておりまして、本日は販売しておりませんでした。誠にモーし訳ありません(ビーフだけに)」
僕「そういうビーフだけにとかいらないから、というか、確認遅いでしょ、最初に言って欲しかったわー、あとほかに何があるん?」
店「お客様、代わりにと言ってはなんですが、 “初日の出バーガー”なんかいかがでしょうか?」
僕「何それ? そんなんあるん?おもろそうだからそれにするわ」
店「ありがとうございます。店内でお召し上がりですか?」
僕「そこ普通かいっ、はい店内です」
店「お客様、今確認しましたら初日の出バーガーはテイクアウト専門の商品となっております」
僕「ならそれでいいですよ、どれくらいかかります?」
店「すぐできますよ、作り置きしてますので」
僕「そうなんや、ありがたいわ、腹ぺこぺこやねん」
店「お待たせしました、番号札になります」
僕「なんでやねん? すぐできる言うたやん」
店「はい、番号札は作り置きしてますので」
僕「……」
店「できたてでございます」
僕「ふーん」
店「それではお会計失礼します。あのー、たいへん恐縮なんですが、お正月料金加算されますけどよろしいでしょうか、初日の出バーガーなので」
僕「なんか納得でけへんけど払いましょ、しゃーないもん」
店「ビニール袋はよろしいですか?」
僕「……要ります」「て、番号札をビニール入れてどうすんねん?」
店「お持ち帰りですよね、初日の出バーガーは番号札をお持ち帰りいただくシステムになってますので」
僕「でたーっ、謎システム。もう早よ貸して、急いで帰って食べるわ、あとから配達してくれんねんな」
店「そうですね、今からですと来年の初日の出には間に合うようにお作りできます」
僕「なんやねん、それだと全然俺のお腹に間に合っとらんねん、もうええわキャンセルやわ、お金返して」
店「かしこまりました。ただですね、今レジが入金しかできなくて、取り出せないので、返金が月見バーガーでのお渡しになってしまうんですけどよろしいですか?」
僕「ぜんぜんできるやん。もうええわ、やめさせてもらうわ」
どーもーありがとうございましたー😊😊
(次の仕事へ)つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます