第4話 家出少女
「に、しても!」
わたしも、ここまできたら引き下がれないわ。
「なんだ、まだなにか?」
あきれたように言うアファエル。
「不健全でしょ」
ビシッと、アファエルを指差すわたし。
「なにがだよ?」
寄り目になるアファエル。
「しっ、下着姿がよ」
冷蔵庫から、ジュースを取り出すプリムを見る。
「お前さ、こんな小娘にオレが興奮するわけがないだろ?」
ため息を吐くアファエル。
「そんなの、わかんないじゃないの」
なにが、どうなるかなんて。
「わかるよ」
半笑いのアファエル。
「えっ、実際全然だよ?」
コップを、口につけながら言うプリム。
「ヘッッ?」
なにそれ。
「ぼっきしたらしたでさ、1回ヤッた方がココに居やすいじゃん」
さらっと、言ってのけるプリム。
「えっ!? えっ!? じゃあ、実際その………したの? っクス」
こっちが、あわててしまったわ。
「だから、セックスはやってないよ。残念ながらねぇ」
肩を、すくめるプリム。
「そッ、そうなの?」
そんな、あっけらかんと………
「だいたいさ、お姉さんってセックスする為
に、男の部屋に来たんでしょ?」
ニヤリと、笑うプリム。
「それは、そうなんだけど………って、変なこと聞くなぁ!」
「さあ、セックスしなよ。見ててあげるからさ」
プリムちゃんが、そう挑発するので、
「イヤよ。そういうプレイ」
断るわたし。
「そうだぞ。ちょっと出ておいてくれよ」
アファエルが、静かにそう言うと、
「えーっ。下着姿で、追い出すんだ?」
半笑いで言うプリムちゃん。
「だから、服を着ろって」
ソファーに、転がっている服を指差すアファエル。
「冗談よ。そんなんで、イチイチ怒っているから、パートナーが出来ないのよ。おにいちゃん」
さらに、挑発するプリムちゃん。
「早く、出てくれ」
あきれたように言うアファエル。
「はーい」
上着を、着るプリムちゃん。
「でも、どこか出かけるところあるの?」
そう、わたしが聞くと、
「あ~。とりま、マックに行ってファミレスに行くかも」
口に、人差し指をそえて上を見るプリム。
「そうなの?」
「おねぇさんみたいに、ツ・イッターで神待ちするか」
スマートフォーンを持って、イタズラっ子
のように笑うプリムちゃん。
「えっ?」
ドキッとする。
「トイレで、ちんこをなめてるわ」
スマートフォーンを、舐めるふりをするプリムちゃん。
「ちょっ!!」
「じゃあね~~~」
勢いよく、ドアを閉めて出て行くプリムちゃん。
「………大丈夫かしら」
「ふぅ。まったく、困ったもん───」
アファエルが、そう言いかけるけど、
「やっぱ、気になるよ」
どうしても、言動が気になる。
「へっ?」
目が、点になるアファエル。
「連れ戻しに行こう! 今なら、そう遠くまで行ってないんじゃないかな?」
玄関に行こうとするわたしに、
「いや、メッセ送れば帰ってくるよ」
冷静に、そう言うアファエル。
「じゃあ、すぐ送ってよ」
と、わたしが頼むと、
「うーん。なんて送ればイイんだ?」
首を、ひねるアファエル。
「一緒に、ご飯食べようとかさ。なにか、送ってよ」
別に、なんでもイイから。
「ん………めんどいけど、送るか。てか、なんで、今日知り合った人なのに心配してるの?」
不思議そうな顔をするアファエル。
「だって、犯罪とかに巻き込まれたりしたら、責任感じるでしょ?」
目覚めが悪いわよ。
「えっ。ああ、そういう意味ね」
スマートフォーンを操作するアファエル。
「別に、変な意味じゃないわ。ねぇ、送った?」
そっちのけがあるわけじゃないし。
「送ったよ」
スマートフォーンを、テーブルに置くアファエル。
「既読ついた?」
と、聞くと、
「まだ、既読はついてない」
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