第6話 闇影を生み出す獣 ②
<こちらはチームD、ここに2体があり、増援を!>
「チームB、そちらに支援くれ」
女性隊員が応答する。
<分かりました、今から4人がそちらに迎えます>
「包囲ゾーンを崩すなよ」
<大丈夫です、もしシャドメイラが来たら、こちらは私が何とか食い止めます>
「よし、科援隊がまたか?」
「連絡しました、こちらに来る途中です」
そう言ったら、高い空から鋭い高いマシンのブースター音が微かに聞こえたら、
白銀のマシンが高い空から急降下してきた。
「グラットンくん!プランCにシフトして」
「分かりました」
モニターの照準グラフが広域の6角形からテイケイに変わった。
「今は発射のタイミングだよ」
「プランCポイントロックオン、干渉波生成装置、発射!!」
左右二門のミサイルボットからミサイルが射出し、一気に4枚が撃ち出す。
光に近いスピードで飛び去った、僅か3秒に経って、ミサイルが狙い箇所を当たった。ミサイルが爆発ではなく、杭を地面に差し込み、ミサイルの胴体部が展開し、台座の部分に他の二つの装置とビーム網が繋がり、高スティク状の物が伸ば背、電気が流れるように装置本体が光って、干渉波が放せた。
干渉波生成装置が展開した様子を見たら隊長が命令する。
「来たか!よし、今のうちに全員、殲滅ゾーンに入れ!」
「こちらは科援隊のリーです。対応兵装を投下します。バックパックのエネルギーを接続してください」
白銀のマシンは商店街の上空を飛び過ぎたら、後のドアーが開けたら、卵型収納カプセル八つが投下された。隊長は空中から発光しているのを見上げて応じる。
「分かった。02、03、取って行け、他の各チームはいずれ2名で取ってくれ、こいつらをβ型に進化する前に、倒すぞ!!」
「「「「了解しました!!」」」」
直ぐに投下されたカプセルを触ったら、卵の真ん中から、8枚の花弁のように開けた。
中に人携帯型レールガン砲だ。隊員は3段に折り収納されているレールガン砲を取り出して、スィッチを押すと、レールガン砲が地面に自動的に展開し、砲身130センチ、一般成人の身長が容易いに操作できる高さ組み立てた。
背中のバックパックからケーブルを引き出せ、ケーブルプラグを付け込むと、送電スイッチを押すと装備スーツが光って、レールガン砲に送電した。レールガン砲インストールプログラムが速やかに出来て僅か数秒、発射用意できる。
レールガン砲のメーター充填単数がマスクのモニターに映されて、砲を操縦しながら、ゴラーテルトンの胸腹を照準する。
射出された弾丸がゴラーテルトンの肉体を当たったら、そのまま三つのスパイクが展開し、しっかりゴラーテルトンを刺しこむ。百万ボルトを越えた電流が一瞬に流された。電流に麻痺されたゴラーテルトンの動きが鈍くになった。
「ガャアアアアーーー!!!!」
集中せるビームを受けが耐えらないゴラーテルトンは巨躯が崩し、闇影に散ら去った。
<こちらは、チームDターゲット03撃破>
<こちらは、チームCターゲット05撃破>
「よし、この調子で1匹も逃さず倒せ!!」
進行方向に現れたのは、暗闇に蠢く影――赤い瞳が四つ、長く鋭い二本の牙を持つもう一体のゴラーテルトンだ。陽太は約10メートル離れたところでそれに気付き、瞬時に右手でブレーキを引き、エアチャリンコの車体を横向きに傾けて急停止させた。
「――あれはシャドマイラか!?実体を見るのは初めてだけど、なんて恐ろしい……」
陽太はシャドマイラの巨大な姿を目の当たりにし、不安げな表情で呟いた。
巨大な身体を堂々と構えたシャドマイラは、首を左右に振りながら何かを探すように動き出す。そして、突然反応したかのように大きくジャンプ。着地の衝撃で爆音が鳴り響き、地面が揺れる。
「
陽太は初めて見る化け物に怯えつつも、ハンドルを握り直し、エアチャリンコのペダルを全力で漕いで方向転換した。
一方、
<隊長!殲滅ゾーンの外に新たな個体が出現しました!>
<何だと!?また新手が現れたのか!>
女性隊員が即座に応答する。
<こちらチームB、その個体は私に任せてください!>
商店街から少し離れた広場では、日除けの下に30代の妊婦が赤ん坊を抱きながら泣き声をあげていた。その傍らにはベビーカートが置かれている。
赤ん坊の泣き声に反応したゴラーテルトンが跳躍して近づき、重々しい足音を立てながら迫る。赤い瞳に妊婦の姿が映ると、妊婦は恐怖で身を震わせながら、赤ん坊を守るように強く目を閉じた。
鋭い爪を振り上げたその時――
「やめろおおおおおお!!!!」
陽太の叫び声と共に、エアチャリンコがゴラーテルトンの目前に飛び込んだ。
浮遊エンジンを最大出力させ、エアチャリンコの底部から強力な気流を放出し、ゴラーテルトンの目を直撃する。
「キャオオオオオ!!!」
怒りの悲鳴を上げるゴラーテルトンに対し、陽太は勇気を振り絞って叫ぶ。
「やりたいなら、僕が相手だ!」
挑発に乗ったゴラーテルトンは四つ脚で素早く追いかけてくる。陽太は高度を7メートルに上げながら、恐怖で目を閉じ、必死にペダルを漕ぎ続けた。
その様子をモニター越しに見ていたUCBD隊の隊員が叫ぶ。
「隊長!ゴラーテルトン06が少年を追っています!」
「何?民間の能力者か?」
「いえ、不明です!彼はただエアチャリンコを必死に漕いでいます!」
UCBDの車両の中、状況を見守っていた
「まさか……陽太くん?」
隣に座るエリックが振り向き、彼女に尋ねる。
「リー先生、その少年をご存じなんですか?」
「ええ。私の姉の子よ。でも、どうしてこんな場所に……?」
ゴラーテルトンは後ろ脚で地面を踏みつけ、凄まじい跳躍力で陽太の頭上に飛び越えた。そして、進行方向を塞ぐように立ちはだかり、両手を広げて威圧する。
「なんで……そんなジャンプ力が……!」
陽太はとっさにエアチャリンコを旋回させて緊急回避するが、ゴラーテルトンの鋭い爪が空を切ると、衝撃波のような鋭風が襲いかかる。
爪の一撃を完全に避けきれなかったエアチャリンコの動力ファンが破壊され、失速して落下し始めた。浮遊エンジンのセーフティモードが作動し、速度を抑えながら地面に降りるが、不完全な着地で陽太は車体ごと転倒した。
「うっ……痛ったぁ……」
転んだエアチャリンコの後部は完全に破損し、修復不能の状態だ。陽太は悲しそうに呟く。
「これ……高校入学祝いで買ってもらったばっかなのに……」
ふと、近くに転がった白い箱を見て顔を曇らせる。
「あっ……ムースケーキが……陽菜に怒られる……」
陽太の視線が暗闇に沈む。黒い影に覆われた彼は恐る恐る顔を振り向くと、そこにはゴラーテルトンが立ちはだかっていた。
陽太の顔は青ざめ、申し訳なさそうな笑みを浮かべながら両手を合わせる。
「シャドメイラさん、悪戯してごめんなさい!許してくれませんか?」
陽太の言葉に、ゴラーテルトンはしばらく動きを止めた。数十秒間、奇妙な沈黙が流れる。
「や、やっぱり、効かないよね……」
恐怖に耐え切れない陽太は、体を震わせ始めた。その瞬間――
「キッオオオ!!!」
ゴラーテルトンが四本の鋭い爪を持つ右手を振り上げる。陽太は咄嗟に頭を両腕で抱え込み、目を固く閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます