第5話 過去1週間の捜査日誌
12月3日 火曜日 先勝
マル害は、以前は月に一度程度だったが、数週間前から足繁く来店するようになった。
その後の調査により、満代は店のオーナー大亮の舎弟、
12月4日 水曜日 友引
マル害が22日にソープに行くという情報を得ていたが、事実と異なるため、もう一つの夜の店キャバクラでも話を聞いた。18歳から31歳までの女性キャスト6人が出勤しており、営業の邪魔にならないよう1人ずつ裏で話を聞いた。
全員マル害と面識があり、「急に金回りが良くなった」「浴びるように酒を注文した」と口を揃えた。キャスト全員を集めて酒を振舞い、高級酒のボトルキープもあるという。22日の来店記録はなかった。
キャストの1人、
12月7日 土曜日 大安
マル害の勤務していた火葬場を訪問。事件前、10月から11月の仕事内容と、特別ボーナスや臨時収入があったかどうかを確認した。収入に関しては冬のボーナスの前で、従来通りの給与のみ。月収は手取り29万円、銀行でデータ照会し裏を取った。ローンと各種支払いの引き落とし残高以外、ほぼ全額を毎月引き下ろしており、貯蓄はなし。遊興に使える金額は多くはない。
顧客名簿の中に萬城目紳吉の名前もあった。11月1日の仏滅に火葬を行っており、マル害と2人で対応に当たった
その日の事は、印象的でよく覚えていた。遺体には必ず複数人が付き従い、何かおかしな事をしないかと目を光らせ、火葬中もずっと扉の前に立っていた。火葬の直前、全員泣きながら「親父!」などと口々に叫び、分厚い札束をポンポン棺の上に放り投げていたという。
備考欄には『体内の金属は不要』との記載。ステンレス製の
12月8日 日曜日 赤口
古物商『
現物はすぐ本州の金属加工場へ送られ、手元に残っていなかった。マル害の臨時収入を特定出来た。
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