第4話

―…あれ、




待てど暮らせど遼太は近付いて来ない。




「りょ、遼太?どうしたの?」



「やーやぁ!」



はぁ―…、



「今度は何が"やーや"なのっ。」



「お前からちゅーしてくれへんとやーや。俺もう無理やもん、電池切れた…。」



そう言うとペトっと私の胸元に顔を埋めて動かなくなった。



「ねーえ、遼太起きてよっ、」



「お前からしてやぁ。お前からしてくれへんと気持ちよくない、ぎゅーしながらちゅーして欲しいねん…むううっ……。」



フワフワのその頭にそっと手を乗せると、ピクっと少しだけ反応したのが可愛かった。




「遼太、おいで。ちゅー、しよっか。いいこいいこも、ぎゅーもしてあげるから。…拗ねないで?」



優しくそう言うと、パッと顔を上げて満面の笑みを見せた。

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