第6話

「きらりーっ!」



バタバタと教室に走って来たのは優花。



「優花っ、」


私は優花をぎゅっと抱き締めた。



「優花─…あの、」


"無事に付き合う事になりました"そう報告しようとした時、



「山本優花、俺たち元サヤに戻る事になったから。これからは、きらり共々よろしく。」



「も、元サヤ?!」



「私そう思ってないんだけど…。」



と、ビックリする優花に小さく言った。




海人くんのその言葉に教室中がざわめき立った。





「そ、そうなのねっ、まぁとにかくおめでとう!…王子も、良かったじゃん!」



「こら、山本優花。」



「な、何よ。」



そう言ってすぐ優花はハッとした顔をして、



「何ですか。」と敬語で言い直した。



「言葉遣いなんてどうでもいいんだ。早くきらりから離れろ。いつまでそうしてる。俺の番だろうが。」





「……はい?」



「俺、さっきから離れるの待ってる。嫌われたくねぇからちゃんと順番待ちしてる。早く退け。」



「い、嫌だね!助けてくれたのは感謝してるけど離れてやらないもんね。」



「こら、早くどけ山本優花っ!」



「"ゆうかりん"って呼んだらどいてやるよ!」



「呼ぶわけねぇだろうが。─…ンな事したら浮気になるだろうが。」



海人くん、意外とヤキモチ妬きなのかな。

こんなに格好良くてモテるのに…。



優花とも仲良く出来そうで嬉しかった。




海人くんと普通に話す優花に周りは驚いていたけれど…。

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