第7話
キーンコーンカンコーン─…
そうこうしている内に昼の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「ほら、王子早く帰りなよっ。」
優花がシッシッ、と海人くんを払う仕草をしながら怪訝そうに言った。
「…仕方ねぇ。帰るか。きらり、また後で。山本優花、きらりを守れよ。」
「っちょっと、私も女なんですけどーっ!」
優花の言葉を無視して海人くんは自分の教室に戻って行った。
「ねぇ、きらりちゃん…。どうして王子と知り合いなの?王子、さっき"元サヤ"って言ってたけど、付き合ってたの?」
隣の席の子がコソコソと話しかけてくる。
私は返事に困った。
付き合ってた、という訳じゃない。
だから別れたつもりも、もちろん無い…。
「そ、それは…昔の話、かな。」
「えぇーっ。羨ましいっ。」
曖昧に答えるしか出来なかった。
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