第4話
ギャーーッ!!
当たり前のように一緒に教室に入って来た海人くんに、また悲鳴に近い絶叫が響き渡った。
注目は浴びるし、海人くんも見てるしとってもとっても食べづらかった。
優花を探したのに、優花はまだ教室に帰って来てなかった。
「きらり、美味しい?」
「…普通、かな。」
自分の手作りをあまり美味しいだなんて、言わないよね…。
もう少しで食べ終わる頃、
「王子、あの…連絡先教えてくださいっ!」
「あの、自分もお願いしますっ…!」
男子生徒が数人、声を掛けてきた。
男の子にも人気あるんだ…凄いな。
けど、何て応えるんだろう。
「─…今俺きらりとデートしてんの。見てわかんねぇ?」
ブホッッ!
まさかの言葉に私は卵焼きを少し吹き出した…。
どうやら私達は今デートをしているらしい。
けど海人くんは笑って続けた。
「いいよ、デートが終わったらね。」
「ああ、あ、ありがとうございます!」
男の子達は嬉しそうに元いた自分達の席に戻って行った。
そして、嬉しそうにこちらを見ている。
"デートが終わったら"つまり、私がご飯を食べ終わったら、だよね。
私は急いでご飯を食べた。
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