第10話

「きらり、昨日海人くんとどこ行ってたの。」



お昼頃、とても怖い顔のお姉ちゃんがまだ寝ていた私の所へとやって来た。


「えっと、その…。」



「ここは誰にも教えてない特別な場所。姉ちゃんにも教えるなよ、絶対。」昨日の場所でそう言われていたから、何と答えていいか分からなかった。



「かき氷…買いに行ったの。海人くんのせいでかき氷落ちちゃったからって。」



大好きなお姉ちゃんに、


「なんだ、そっか。」



初めて嘘をついた。




その後、海人くんがやって来て宿題をした。

海人くんにべったりのお姉ちゃん。


会ったばかりの時と同じ態度の海人くん。

しばらくして絢瀬くん達もやって来て、普通に皆で話してたから、仲直りしたんだなって思った。



絢瀬くんは私と目が合うと顔を紅くした。

私の隣に座って宿題を広げた。


そんな絢瀬くんを海人くんが睨みつけているなんて、全然知らなかった。



絢瀬くんにずっと教えて貰っていた。

唯城くんの方が教え方は上手だったけど…。

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