第9話

花火終わったし、そろそろ帰ろうかってなって起き上がる時にまた海人くんが手を差し出してくれた。



「俺は年上だからな。」と言いながら。



手を繋いで歩いて会場近くになった時、向こうから海人くんのお母さんがこっちに来た。




繋がれていた手はそっと離された。



「あーんた、どこに連れて行ってたの。みんな心配してるでしょうが。さっさと帰るよ。」



「うるせっ。」


「おばさん、ごめんなさい…。」


「あぁ、あと絢瀬くんに謝りなさいよ。」


「わぁってるってば!」




「琉咲、ごめんね!」


俯きながら歩いてると、お母さんの声が聞こえた。


「ごめんね。うちのバカ息子が。」



お母さんの姿が見えて、駆け寄って抱き締めたらお母さんも優しく抱き締めてくれた。



「ごめんなさい…お母さん…。」



「大丈夫。海人くんと一緒にいたから安心してた。海人くんは頼もしいから。琉咲も、あんまり怒らないであげて。うちの子も悪いから…。」


「夏川に言われたら大目に見るしかないじゃん…。今回だけだよ、怪我とかなかったから許すけどさ。一発殴らせろバカ息子っ。」



「痛っ!ババァ…。」



「ほら、早く帰ろう。夏休みはまだ始まったばかりだよ。明日も沢山遊べばいいから。」



優しくお母さんにそう言われて4人で仲良く帰った。

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