第8話

花火を見ながら話していて、何となく海人くんのことを知れた。



海人くんにはお兄ちゃんがいて、お兄ちゃんは中学3年生。

ここは田舎で学校がないからもう直ぐ家を出て行くんだって。


寂しくないのかなって思った。



お兄ちゃんの事が大好きなんだって。

服装も髪型も口癖もかっこいいんだって。


海人くんのお兄ちゃんは女の子に優しくてケンカが強いから、憧れてるだって。



私がお姉ちゃんをそう思っているように。



「俺、この前兄ちゃんが髪の毛染めてたから、俺も染めたいって言ったらめちゃくちゃ親に怒られた。」



「そうなんだ。海人くん黒のまんまでもいいんじゃないかな、まだ子供だし。」



「こ、子供って言うな。俺は早く大きくなるんだ。」



それって、

「お姉ちゃんと結婚する為?」



「んなっ、んなわけねぇだろ。好きじゃねぇし。」




良かった。

心からそう思ったのは、お姉ちゃんをとられないで済むと思ったから。

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