第29話
「グレイディのみなさんこそ、メジャーデビューされてからお忙しいんじゃないですか?」
今週末まで、9月から10月にかけて連休のたびに弾丸ツアーを行い、全国行脚をしていたGreatidiot。
今回はデビュー直後のゴールデンウィークに行ったツアーより2都市を増やした、全国9都市を回った。
その合間にはイベントやフェスへの出演もあり、順調に売り出しをしている。
かくいう私も、絶賛秋のツアー中だ。
「おかげさまで。ま、デビュー年のブーストかかってるからね。まだまだくるみんほどじゃないけど」
「デビューしてからが本当の勝負ですからね」
「俺とアラタは、アキハのコネクションとナツメの才能に全力でぶら下がってるだけなんだけどね。俺らも人生賭けてるから、やるからには全力でやるよ」
「さすがです」
キヨさんの飄々と見せながらもしっかりと内に情熱を秘めている感じ、ぞくぞくする。
こんな風に言っているけど、音楽に真剣に向き合っているのは、音を聴いていれば分かる。
「誰1人欠けてもGreatidiotは成立しないよ」
静かな秋芭くんの声は、それだけで説得力がある。
リーダーだからとか、年長者だからとか、そういう表面的なことだけじゃなくて、それは秋芭くんの人を見る目が確かだから。
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