第4話
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「お疲れさまです」
「お疲れ、良かったよ」
「ありがとうございます」
無事にバースデーイベントも全公演終了し、私は安堵の気持ちとともにバックヤードを歩く。
歌やダンスの先生、スタッフさんたちと簡単に挨拶を交わして、今はとにかく汗で肌に張りつく衣装を脱ぎ捨て開放感に浸りたい、と控室へと一直線に向かう。
慌ただしく行き交う人々を尻目に、公演前はゆっくり味わえなかったケータリングに「あとで食べよう」とお気に入りを見つけて。
1人で使うには広すぎる部屋のドアを開けた。
―――その時だ。
「ッ!」
ぐい、と引かれた腕に、音もなく扉の死角の壁に縫いつけられる。
「しぃー!」
よく見知った男が、世の女性たちを虜にするその唇に指を立て、国宝級の顔面に楽しそうに愉悦を浮かべる。
まるで悪魔の微笑みだ。
視界の片隅で、ゆっくりとドアが閉じた。
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