第14話
食卓にごはんを並べて、夕食にしては遅い食事を2人で摂る。
ママの仕事の愚痴を聞き、どうでもいい学校の様子を話す。
談笑しながら食事をする光景は、どこからどう見ても仲の良い親子だろう。
食べ終わると洗い物はママがするというお言葉に甘えて、ぼんやりとテレビを眺めた。
この時間やっているのは、下品な笑い声が響くバラエティー番組か安っぽいシナリオの恋愛ドラマくらい。
脳内でテレビにツッコミながら、最近お気に入りのカモミールのハーブティーを飲む。
夜眠る前に飲むと、リラックスして寝つきが良くなる気がする。
相も変わらず、ありきたりな同級生との恋愛で、珍しくもない親友との三角関係に悩む主人公の女の子に、冷ややかな感情しか持てない私。
これがまた、たいして上手くもない演技なのだ。
ドラマが中盤に差しかかった頃、一通りの家事を終えたママもカップを手に座る。
「この子、前のドラマにも出てたわよね?」
「そうだっけ?」
「次の映画の主役もやるらしいわよ」
興味ありそうな相槌を打ちながら、この程度の演技力で主役ね、と心の内では馬鹿にしている。
こんなに忙しくしているのに、ママは世間の動向に敏感だからいつそんなに情報を得ているのだろう、と不思議だ。
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