第10話

お風呂から上がった私は自室に戻る。



バッグから取り出したスマホを確認すると、クラスの友人から何件かメッセージが来ていた。


それに当たり障りのない返信をする。



当然ながら、男からの連絡はない。



別に期待していたわけではないけれど、それを実感した途端、胸に昏いかげが差した。


らしくもなく感傷的になる自分に、呆れて溜息が零れる。



何を恋する乙女みたいなことを思っているんだか。




(寂しい、だなんて……)




大きく深呼吸をして、心を落ち着かせる。



何も考えるな。


考えれば考えるほど、深みに嵌まるだけ。



このゲームに焦りは禁物、ゲームオーバーだけは絶対に避けなければならない。



終わらせる時は、自分のこの手で。

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