第11話
思考を遮断するようにイヤホンを耳に突っ込むと、テキストを広げ課題に取りかかる。
まあまあの進学校に通う私は、毎日の課題と予習復習に余念がない。
周りがあくせくする中、私はそれを卒なくこなす。
トップレベルとはいかなくても、それなりの進学校。
馬鹿はいないだろうと思っていたけど、どこへ行っても高校生なんて似たり寄ったりの連中ばかり。
男子なんて騒ぐしか脳がないのか、と疑うような低レベルの会話しかしていない。
女子ときたら更に質が悪い。
流行りに流され、色恋に現を抜かし、根も葉もない噂話。
少しは学生の本分を弁えろ、と言いたい。
まぁ、私も人のことを言えた義理ではないけれど。
―――ちょうど課題を終えた頃、玄関の扉を開ける気配がした。
時刻はまだ9時前。
今日は比較的早かったな、と思いながら課題を片づける。
少しして階段を上がる足音に廊下へ出ると、仕事から帰ったばかりのママがいた。
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