第3話
私は家に戻ると、護符を手に握りしめながら鏡を見つめてみた。
覆い隠した布をそっと剥がすと、鏡の中に自分の姿が映る。
でも、その顔は妙に歪んで見える。
少女の言葉が頭をよぎる中、私は鏡を壊すべきか悩んだ。
その時、鏡の中の自分が口を動かしてこう囁いた。
「でも、知りたいんでしょ?」
「⁉︎」
私は驚きのあまり後ずさりし、護符をしっかりと握りしめた。
私は震える手で鏡を覆い隠して、部屋の隅に座り込んだ。護符を握りしめた手のひらに汗がにじむ。
「何をしたかって……どういう意味なの……?」
白髪の少女の忠告が頭の中を巡るけど、思い当たることは何もない。少なくとも、私自身にはそのはずだ。
でも、鏡の中の自分が動いた――そう感じた瞬間から、頭の奥で何かが蠢いているような、奇妙な感覚があった。
その夜、私は夢を見た。
暗い廊下を歩いている。どこか懐かしいような、不気味なような感覚に包まれている。
床板がぎしりと音を立て、薄暗い明かりが揺れている。
ふと背後から誰かの声が聞こえた。
「助けて……」
私は振り向こうとしたけど、体が動かない。声の主はどこか遠い記憶の中にいるようで、それ以上近づいてこない。
次の瞬間、目の前に白髪の少女が現れた。
「見ちゃだめ。」
少女の声が響いた瞬間、私ははっとして目を覚ました。
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