38話「階層主その3」
「さて、今日で三回目のダンジョンか」
そう呟きながら、俺はダンジョンを突き進む。あれから、二十九、三十階層とやってきたが、ここもまた食材になるモンスターたちが出現し、それに狂喜乱舞した結果、足止めを食らってしまった。
具体的には、野菜を模したモンスターたちであり、トマトやキュウリ、レタスやキャベツはもちろんのこと様々な野菜系モンスターが出現した。その中でもテンションが上がったのは、ジャガイモもであり、また乱獲モードに入ってひたすら狩ってしまった。
そんなわけで、目的の場所である三十階層にはやってこれたものの、今までの道中で米らしい植物が生えている場所は確認されていない。
「あの店主は三十階層くらいとか言ってたから、三十一階層の可能性もあるか」
なにはともあれ、この先に進んでみればわかることなので、いよいよ三十階層の階層主とのバトルが始まるのだが……。
「モォォオオオ」
「ブヒィィイイイ」
「クケェェエエエ」
「おいおい、そういう感じなのかこれ?」
そこには三体の巨大モンスターがいた。だが、その見た目は明らかに今まで戦ってきた食材系モンスターと似た系統だがまったく異なるモンスターが鎮座していた。
【名前】:ダンジョンミノタウロス(階層主)
【ランク】:A
【ステータス】
レベル80
体力:30000
魔力:7000
筋力:900
耐久力:894
精神力:710
知力:290
走力:401
運命力:771
【スキル】:剛腕Lv7、斧術Lv6、突進Lv5
【名前】:ダンジョングレートボア(階層主)
【ランク】:A
【ステータス】
レベル80
体力:33000
魔力:6000
筋力:870
耐久力:1094
精神力:740
知力:159
走力:755
運命力:411
【スキル】:剛脚Lv7、突進Lv6、鉄壁Lv5
【名前】:ダンジョンコカトリス(階層主)
【ランク】:A
【ステータス】
レベル80
体力:35000
魔力:11100
筋力:690
耐久力:714
精神力:810
知力:655
走力:520
運命力:670
【スキル】:飛翔Lv6、ついばみLv5、猛毒Lv4
おいおいおいおい、いきなり同レベルの相手かよ。
能力的にはこっちの方が上だが、これは油断できん相手かもしれんな。
「とりあえず、先制攻撃。【アイスピクルド】!」
俺はすぐさま二十階層の階層主で使った方法で、モンスターたちを氷漬けにする。すると、三体とも氷の彫刻へと変貌し、これで戦いが終わったかに見えた。
「まあ、そうなるよね」
だが、三体とも氷の拘束からすぐに抜け出し、特にダメージもない。さすがはAランクに分類されるモンスターといったところだろうか。
拘束から解き放たれたモンスターたちが、こちらに向かって迫ってくる。ダンジョンミノタウロスとダンジョングレートボアは陸から、そしてダンジョンコカトリスは空から襲い掛かってくる。
いきなり三体同時を相手にするのはきついが、戦えるのは俺一人しかいないので、やるしかない。決して、ぼっちではないぞ? ただの“おひとり様”だ。
「【ストーンウォール】」
とりあえず、モンスターたちの攻撃を防ぐべく、前方に石の壁を出現させる魔法を展開し、バックステップで後方に下がる。だが、いとも簡単に石の壁を砕くと、再びこちらに向かって追撃してきた。
「【ストーンウォール】×5!」
ならばということで、今度は五枚の壁を展開する。今度は一気にというわけにもいかず、壁を破壊するのに苦労している。
「今がチャンス! 体内の魔力を一点に集中。そして、それを一気に放出する!!」
俺はどこかで見たことあるような、構えを取り、魔力を集中させる。その構えは、七つ集めると願いが叶う球が出てくる漫画の主人公が使っていた必殺技の構えであった。
「これでもくらえ!! かぁ~めぇ~はぁ~めぇ~……波ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ」
俺が必殺技の名前を叫びながら両手を突き出すと、その中心から野太い光線が放たれる。本当にあの有名な必殺技に酷似しているのだが、実際は光魔法を応用した【レイレーザー】という魔法であり、断じて【か〇はめ波】などではない。
そんなことはさておき、俺の放った攻撃がモンスターたちに襲い掛かった。
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