36話「新たな能力(ちから)」



「スキルの進化か。どれどれ」



 なにやら、いつもと違うメッセージが告知されたので、詳しく調べてみることにした。あれからそれなりの時間が経過しており、ちょこちょこと【鑑定】を使用したり【アイテムボックス】にものを収納したりしていたので、両方ともレベルが9になっていたのだ。



【解析】……スキル【鑑定】の上位スキル。ランクの高いアイテムの鑑定が可能となり、アシストシステムによる検索機能が追加された。



「アシストシステム」


『ハジメマシテマスター』


「なっ、なんだ?」



 いきなり脳内で機械的な声が響き渡る。どうやら、今のは【解析】の効果の一つであるアシストシステムが話かけてきたようだ。



「おまえがアシストシステムとやらか?」


『ソウデス。ワタシガアシストシステムデス』


「なんか、妙な格好をしたおじさんみたいな言い回しだな。まあいい。で、おまえなにができるんだ?」


『ハイ、ワタシニシラベタイコトヲオシエテモラエレバ、ソレニカンレンスルケンサクケッカヲヒョウジスルコトガデキマス』


「それってこの世界のこと限定なのか? それとも俺の世界のこともわかるのか?」



 アシストシステムの説明に気になったことがあったので聞いてみた。それは、このアシストシステムが俺のいた地球の情報も網羅しているのかという点についてだ。



 つまりは、この解析というスキルによって別次元の世界の情報についても検索できるかということである。



『ザンネンガラ、ゲンザイノスキルレベルデハ、ベツジゲンノジショウヲシラベルタメノアクセスケンヲユウシテオリマセン』


「なら、スキルレベルを上げれば、そのアクセス権とやらが解禁されるんだな?」


『ハイ、ゲンザイキョカサレテイルノハ、コノセカイノジショウニツイテノミトナッテオリマス』



 なるほどな。なら、もっとレベルを上げればいずれは地球の知識も手に入る日が来るということだ。これはかなりいい能力なんじゃないか?



「おまえについてはわかった。次にストレージについて説明してくれ」


『リョウカイシマシタ』



 解析のアシストシステムについては大体理解できたので、次にアイテムボックスの上位である【ストレージ】というスキルについて聞いてみることにした。



 ストレージは、アイテムボックスの上位スキルであり、収納できる容量に上限はなく、時間経過による劣化もないということだ。またスキルレベルを上げていけば、さらに便利な機能が追加されていくという将来が楽しみなスキルということであった。



『イジョウトナリマス』


「わかった。じゃあ次に俺のステータスを見せてくれ」


『リョウカイシマシタ』



 スタンピード以来、ステータスの確認をやってなかったことに気づいた俺は、久々に自分の能力を調べてみることにした。その結果がこれだ。ワンツースリー。






【名前】:拓内畑羅木


【年齢】:十五歳


【性別】:男


【職業】:無職


【ステータス】



 レベル81




 体力:117500


 魔力:101000


 筋力:1430


 耐久力:1199


 精神力:974


 知力:1339


 走力:1093


 運命力:11011



【スキル】:鑑定LvMAX→解析Lv1、成長率上昇Lv6、健康Lv4、アイテムボックスLvMAX→ストレージLv1、異世界言語Lv3、


 魔力感知Lv8、無属性魔法Lv4、詠唱破棄Lv6、火魔法Lv4、水魔法Lv4、風魔法Lv4、


 土魔法Lv4、光魔法Lv3、闇魔法Lv3、時空魔法Lv4、回避Lv5、直感Lv5、錬金術Lv6、危険察知Lv6、


 精神耐性Lv3、大物食いLv2





 うむ、パラメータは俺のレベル自体が上がっていないので、それほど変化はない。スキルも進化したもの以外では、特に目立ったものはなかった。



 あれから結構なモンスターを倒しているが、やはり大幅なレベルアップ目指すならば、高レベルなモンスターと戦う必要があるのかもしれない。



「よし、とりあえず先に進むとしよう。解析スキルこれからよろしくな」


『ヨロシクオネガイシマスマスター』



 こうして、新たな能力と手に入れた俺は、さらにダンジョンの奥へと進んでいくのであった。

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