第22話 異世界最強
──
一糸まとわぬ美しい裸体は、蛇たちに蹂躙されていたにも関わらず
腰まで流れる髪は冬の月のように蒼みを帯びた銀色。その内から伸びる左右の角の太さは手首ほどに増していて、湾曲しながら額の真ん中で合流し、尖端を揃って天に向けています。
──黒曜石の輝きを宿す
「……ぅ……ぁ……」
悪夢にうなされるかのごとく弱々しい吐息を漏らしたのは、つい今しがた勝ち誇っていた
怯えて左右に揺れる彼女の黄金の瞳を、相対する少女の双眸がまっすぐ射貫く。底無しの闇を宿した
「……その
ゴルゴーンは蒼い唇を震わせ、逃げるように完全に目を逸らす。
無理もない。本当に、なんて
「騙さない、偽らない……ただ惑わせ、
桜色の唇がほころんで、こぼれた言の葉はしとやかに濡れ、私では逆さに吊るされても出せそうにない
「それが、我らサキュバスの
そこで言葉を止めた少女は「けれど」の逆接とともに、
「女の子なら、隠しごとのひとつや
私の中に封じられていた真の力。
貯め込んだ膨大な魔力も制約なく行使できるだろうその存在を、記憶の奥底に知覚できてはいました。
前世では、陽が落ち夜になれば封印を解くことができた。
けれど私には、お母さまに隠れてどんなに深夜まで夜更かしをしてみても、封は解けなかった。
おそらく、あまりにも
だからその状態で、「断片」を残した肉体を危機に追い込み、生存本能で尻を叩いてむりやりにでも封を解く──それが
「フフ、ごめんなさい
「……どういう、意味……?」
そう、ただのサキュバスではない、異世界最強で
太陽は美しく沈みかけていても、いまだ夜には到らない。それでも
初手で
「我こそはサキュバスの頂天に座して、夜の
彼女は
「──リリスと申します。どうぞお見知り置きくださいませ」
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