第21話 翼は紅く羽ばたいて
意識だけの状態は、魔力を
少しでも
脳内に浮かべたのは、サキュバスの翼と尻尾が生えた小さな黒猫。通学途中たまに見かけるキュートな仔猫さんを参考にさせていただきました。
前世では、この物理的制約のない離脱状態を活用し、人々の記憶に根付いた
私もそれを活用して魔力を収集しようと考えた──のですが、
ただでさえコミュ症や、肉体を留守にする不安が
そこでヒントをもらったのは生徒会長──
どうやら、ネットのデータ通信と魔力は親和性が高いらしいのです。もしかするとデジタル技術が
とは言えネット配信なんてコミュ症の私にはできないので、文芸部の技能を活かし、某
読んでくださった読者さまに私──清楚系サキュバスのイメージと共に
そして夜、
記憶には残っていないと思いますが、朝起きたとき妙にすっきりしていたり、逆にやたら怠かったりしたら、それは私の仕業かも知れません。
──ご協力ありがとうございます。また、今後お邪魔させていてだきました際には、なにとぞよろしくお願いいたします。
まあ……現代ファンタジーなのに女主人公だしダンジョン配信でバズったりもしないし……。
ええ、そのPVだけで生徒会長と対峙するのはちょっぴり心もとなく、
これが日間ランキング五位内に食い込む盛況ぶりで、たっぷり追いエナジーを補充したのがつい先週のことです。
というわけで、夜な夜なかき集めた──皆さまの多様性に
「やはり無意味だったわね、
鱗に覆われようと色褪せない、むしろ妖しく美しさを増した
「なに……この魔力は……」
眉根を寄せながら彼女は口にする。
上空でパタパタ羽ばたく
──
蛇たちがぼたぼたと地に落ちる。サキュバスの翼刃を弾く堅牢な鱗に覆われた彼らが、きれいな輪切りの断面を晒しています。
「……ッ……何が……」
離れた蛇たちとも痛覚を共有しているのか、美貌を歪める会長の前で、棺の内側から対称形を為してもうひとつ刃が生える。
双刃は死神の鎌じみた半月型で、翼だとすれば
『──ようやく、お目覚めですか』
上空で私が呟くのと同時に、紅の双刃がバサリと、自身が翼であると主張するように羽ばたく。生じた旋風までも紅いのは、切り裂かれた蛇たちの肉片と血の色をまとっているからでしょう。
──そして、そこに。
巻き上げられた血肉が雨と降るなか、紅の翼を大きく拡げ、白い裸体に蒼銀の長髪を揺らして──
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