Episode.3...ΣAΣとの出会い.
由貴はクリスマスの頃に、あたしの部屋に挨拶に来てくれた。
あたしは、同じ名前の音だと言うことに共感を覚えて、由貴に人形を買ってほしいと頼んだ。
すると、由貴はしばらく考え込んだ。
後にして、由貴は大きな人型の少女の人形を買ってきてくれた。
少女の人形……あたしは猫の人形を持っていた。しかし由貴さんは違った印象を受けたのだろう。だったらあたしは、由貴さんにもみの木型のお菓子を載せたロールケーキを切った。
ああ、またこの季節が来たね。と由貴さんは言った。ついでにこれもあげよう、と言ってくれたのは線路と人形が入るくらいの小さなスペースの席がある機関車。こんなものどうするんだろう、と不思議がっていたら、お人形を載せて機関車は走り出した。
一周するレールを作った後、好きに作っていいよ、と言われ、あたしは困惑した。こんなもの一体どうすればいいのか処理に困るからだ。
すると人形が話し出した。
「あたしに名前を頂戴。くれないなら勝手に名乗るけど、それでいい?」人形は話始めた。「あたしはΣAΣ(マム)というのよろしく」
マムと名乗った、人形は線路に降りて、てくてくと街の方へと歩いていく。
あたしは急いでついていった。
マムは、森の茂みで穴を掘り始めた。何をしているのかと訝しがっているあたし。マムが手伝って、というので従って手伝うと、ロールケーキ型のカマクラと近くに巨大な木が立っている。にこっとマムが笑った。
「あなたのお皿の上と一緒」マムが指さして笑って数回ジャンプした。
あたしも微笑んだ。マムとは友達になれそうだ、と中学生に上がるころに辞めてしまった日記のアルバムを開く。背表紙は金色の文字でDual The Sunと書かれてあった。カラフルなシールを張ってみた。
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