第20話

「夏祭りに一緒に行かないか?」

夏休みも近くなったある日、優希が体育館の入り口に行くと、壮真がやって来た。

「行く」

優希は笑顔で答えた。


河川敷の前には屋台が立ち並び、赤と白の提灯がズラリと並んでいる。

優希は朝顔柄の浴衣姿でカラコロと下駄の音を立てて歩いていた。

優希は胸までの髪をアップにして、ほんのりと色気も感じる。可愛いというより綺麗だ。

壮真は隣にいてドキドキしっぱなしである。

次々に花火が上がって、観客達は夜空に咲く大輪の花を見上げる。

壮真は花火を半分、優希を半分見つめていた。

「綺麗……!ほら宮田君、また上がった!」

「ああ!」

辺りは人でごった返している。

その中で2人は花火が上がるのを見続けていたのである。

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